平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究5 -141/170page
第3時 一プ内で一人一人のアイディアを出し合いながら「パターンミュージック」の音楽づくりをする。 第4時 発表会によって互いの演奏を鑑賞し,相互評価する。
(6)「即興的表現」の進め方
生徒が「即興的表現」に興味や関心を持ち,意欲的に学習に取り組むためには,誰にでもできる簡単なものから導入し,徐々に高度なものへと学習を進めるよう,指導計画に十分留意する必要がある。
以下の@〜Dは,「即興的表現一の指導の進め方を示したものである。
1.リズムゲーム
「パターンミュージック」の音楽づくりへの導入として取り入れる手拍子のリズムゲームである。
・3拍子 ○×○
・5拍子 ○×○×○
これは,3拍子と5拍子の穴埋めゲームである。
○を教師が,×を生徒が手拍子で打ち、その拍子を維持しながら一人一人とつないでいく,という単純なものである。教室内での音楽の雰囲気作りのために有効であると考えた。また,この活動によって単純な「インターロッキング」を知らず知らずのうちに体験できるという利点も見逃せない。5拍子はやや難しいが,躍動感があって面白いと考える。
2.リズムカードを使った学習
メトロノームでタイムキーピングをしながら次々と違うリズムを手拍子子し,様々なリズムを学ぷものである。この後の「バターンミュージック」の音楽づくりをする段階で,ここでの学習が生かされると考えたからである。また,楽しみながら音符やリズムを学ぷのに有効であると考えた。 3.「パターンミュージック」の即興的表現1
グループを家族に見立て,お爺さんから子供IIIまで6人で構成する。(5人の場合は,お爺さんを除く)
これはグループ及び音楽の共同性をより強く意識させるためである。「トガトン」は1人1本用意する 4) 。
1拍目 2拍目 3拍目 4拍目 お父さん ○ ― ― ― お母さん ― ○ ― ― 子供I ― ― ○ ― 子供II ― ― ― ○ 子供III 〜即 興〜 お爺さん ○ ― ― ―
〈演奏の手順〉
ア お父さんは,「1・2・3・4」の4拍の間の1拍目に,節のある方を下にして「トガトン」を打ち落とす。
イ お母さんは2拍目,子供Iは3拍目,子供IIは4拍目に打ちこれを繰り返していく。
ウ お爺さんは一番低い音がでる「トガトン」を持って,お父さんの1拍目を補強する。(5人のグループは,お父さんが一番低い音の出る「トガトン」を使用する。)
工 子供IIIは,4拍の繰り返しによる即興表現をする。
○ 演奏上の注意
1.全員が同じ速さ(テンポ)を保つこと。
2.お互いの音をよく聴き合うこと。
3.特にお爺さん(お父さん)の音は,基本のビートとなるので,常に聴きながら演奏すること。
この演奏上の注意は,「トガトン」の演奏だけに限らず,アンサンブルや含奏をする上で最も基本的な