平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究5 -142/170page
内容である。
ウ 他の人は,この基本ビートが聴こえたら,自分のリズムパターンを変えて演奏する。変わった部分をBとする。これを繰り返すと,A→B→Aの音楽または,A→B→C→―――――など,たくさんの「パターンミュージック」に変化させ続けることができる。
4.「パターンミュージック」の即興的表現2
〈演奏の手順〉
ア 3.と同じように6人(5人)で,子供IIIの即興表現を全員で行う。
イ 全員が4抽の繰り返しによる即興表現を行いアンサンブルする。(1人1人のリズムが違った方が面白い)
ウ お爺さん(お父さん)だけは,単純な基本ビートを打つと,全体の抽が取りやすくなる。
工 演奏の出だしの合図,演奏の終わりの含図を班で事前に決めておく。
5.「パターンミュージック」の即興的表現3
〈演奏の手順〉
4.の応用で,全く違うパターンに一斉に変わる方法を考える。つまり,はっきりとAからBへの移行が分かる音楽を作るのである。
ア お爺さん(お父さん)が基本のビートを打つ中でつ他の人が自分のパターンを演奏する。これは4.と同じでAの部分とする。
イ 何回か続けたら,お爺さん(お父さん)は,別の基本ビートを繰り返し演奏し始める。
4 授業の実際と考察
授業は,福島県立福島東高等学校1年7・8組,音楽選択者31名を対象に行った。
(1) 「創作」(音楽づくり)の経験についての事前調査
まず,授業前・後の変容を探ることを目的に「創作」(音楽づくり)についてのアンケート調査を実施した。
「創作」(音楽づくり)の経験のある生徒は全体の39%足らずで,多いとは言えない数字である。
「楽しかった」「楽しくなかった」の回答はそれぞれ半数であった。楽しかった理由のほとんどが創作の後にそれを実際に演奏していることが分かった。
また,「楽しくなかった」の理由の多くには,作曲コンクールの出品が挙げられ,作曲させられたイメージが残っているように思われる。
半数以上の生徒は,「難しい」「考えるのがめんどうくさい」などのイメージを持ち,「創作」(音楽づくり)に消極的である。しかし,経験のある生徒の内の3分の2は,ぜひやってみたいと意欲的であった。
1.〜3.の回答から,「創作」(音楽づくり)が難しいものではなく,生徒たちが興味を持ち,主体的に楽しめるものに変えていく必要があると考える。
(2) 授業実践と考察
1.[第1時]
リズムゲームと,リズムカードを使った学習は,とても楽しく活動しており,授業の雰囲気作りや授