平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究5 -144/170page

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れる音楽で,東南アジアやアフリカの「インターロッキング」が基本となっているものである。東南アジアの「民族音楽」だけでなく,身近にもこれらに共通する音楽が溢れていることに気づかせるのがねらいである。以下がその感想の一部である。
 「実はすごく単純なリズムで演奏されていることが分かった。」「喋っている以外は,全て同じリズムでやっていた。日頃注意深く聴いていないので全然違う歌のように聴こえた。」「ラップと民族音楽にこんな共通点があると知って驚いた。」

 3.[第3時・第4時]
 「パターンミュージック」の即興的表現3では,演奏方法の説明の後,約1時間のグループ練習を行い、その後まとめとしての発表会を行った。
 グループのアイディアを生かした音楽づくりができるよう,「トガトン」以外の楽器の使用も可とし,机間巡視を繰り返しながらアドバイスした。


「パターンミュージック」の即興的表現3

 始めは,全てのグループが「トガトン」を無造作に打ちつけているだけでなかなか楽器も決まらず,アイディアも浮かばない様子であった。しかし,班長を中心に相談を重ね,徐々に他の楽器を持ち出して自分たちの「パターンミュージックーを作り出していった。
 自分たちのリズムをどう組み合わせて音を作っていくか。始まり方,終わり方はどうか。AからBへの途中の変奏のタイミングはどの様にしようか。曲全体をどう構成するか,試行錯誤しながら「創作」(音楽づくり)を進めていった。
 その結果,発表会では「トガトン」以外に「カウベル」「ウッドブロック」「マラカス」「カバサ」などの楽器を使い,更に「自分のかけ声」「パフォーマンス」まで利用した様々な音楽が生まれ出した。音階ができるように工夫して「トガトン」を精選した班,「インターロッキング」にラテンのリズムを加えて表現した班,三三七拍子を応用した班など多彩であった。
 各班の演奏発表は,一人一人の個性や発想を生かした楽しいものが続いたが,全ての班が打楽器だけで「即興的表現」を試みており,旋律楽器をそれに加えている発表がなかったことが残念な点であった。
 旋律楽器を加えることでメロディーが生まれ,音楽が更に広がっていくと考えるからである。旋律を含めた「創作」(音楽づくり)の目標を明確にすること,内容,方法,活動の仕方の指導に一工夫必要であった。
(3) 事後調査と考察
 まとめとして,第4時の終了時に今回の授業に対するアンケート調査を実施した。

1.「おもしろかったところは?」(複数回答)
1.「おもしろかったところは?」(複数回答)

 「みんなで工夫し合って曲の中身を考えていくところ」「音が重なったとき,全く違った新しいリズムが生まれるところ」「自分でリズムを好きなように作るところ」などの回答が中心であった。


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