平成8年度 研究紀要 Vol.26 -172/175page
(分類基準F4−01) テーマ 学力向上に関する調査研究 −「学力到達度調査」に関わるテストの結果分析と考察− 要 旨 本研究は,昨年度実施した「学力到達度調査事業」の結果を踏まえて,小学校5年の国語,算数,中学校2年の国語,数学,英語の「学力到達度調査」に関わるテストを作成,実施し,その答案分析をすることで,児童生徒がどの段階で,どのようなつまずきをしているのかを探ろうとしたものである。 その結果,これまで漠然と推測されていたつまずきの内容が明確になったり,全く予想もしていなかったつまずきが明らかになったりするなど,学力向上のための貴重な成果を得ることができた。
(分類基準E4−06) テーマ 学校の活性化を目指す教員研修 要 旨 国際化,情報化,少子化等が進む中で,学校教育においては,受験競争の過熱化,いじめや登校拒否の問題等,様々な課題にも直面している。 本研究は,そのような課題を解決し,学校の活性化を図るためには何といっても一人ひとりの教員が積極的に研修に取り組み,資質や能力の向上に努めなければならない。 そのために,現在,各学校では「教員研修」にどのように取り組み,どのような課題を抱え,どのような工夫をしているかを調査し,その結果をまとめたものである。
(分類基準F4−02) テーマ 基礎学力向上のための情意面の活性化 要 旨 本研究は,学力の認知面と情意面のかかわりに着目し,思考を情意面から認知面への橋渡しをするものととらえ,情意面を活性化し,思考活動を活発にする指導や支援が知識・理解,技能の獲得にどのように有効であるかを調べることをねらいとして,理科と技術・家庭で授業実践を行ったものである。 その結果,児童・生徒の期待に配慮した具体的方策を講じることで,関心,意欲を持続させ,思考活動を活発にすることができることがわかった。また,情意面を活性化し,思考活動を活発にする方策は,児童・生徒の知識・理解,技能の獲得に有効であることがわかった。
(分類基準F9−01) テーマ ー人一人のよさや違いを確め合う学級の人間関係づくりに関する研究(第2年次) 要 旨 本研究は,学級の児童生徒全点を研究対象として,好ましい人間関係を基盤とし,一人一人のよさや違いを認め合う学級の人間関係づくりを目指して取り組んだものである。 児童生徒を《適応》 《順応》 《不適応》に分類し,《順応》の児童生徒に焦点を当て,互いのよさを認め合う人間関係づくりを主眼に,級友とのかかわりを通して,自分や級友のよさに気づき,「ありのままの自分でいい」と実感できる場と機会を意図的に設定して指導援助にあたった。その結果,互いのよさの中から自分との違いに気づき,それを認め合うことができるようになってきた。