研究紀要第105号 「学力向上に関する調査研究」 -002/117page

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用語について ア 全国の通過率:全国における到達状況を%で表したものである。
領域ごとの全国通過率=各領域ごとの個人の正答率の合計/受験した児童(生徒)の総人数×100
* この総人数とは,この検査を作成する際,標準化するために受験した児童(生徒)の数である。
イ 全県通過率:本県における到達状況を%で表したものである。
領域ごとの全県通過率=各領域ごとの個人の正答率の合計/受験した本県の児童(生徒)の総人数×100
ウ 全国比:本県の通過率を全国と比較したものである。
全国比=本県の通過率/全国の通過率×100
エ 各教科の「調査結果の集計及び分析」の欄における解答分類
 小問のねらいにより解答を分類したが,集計した誤答を内容別に整理したり,解法の特徴によって分類したりして,つまずきが具体的に分かるように配慮した。

1 小学校国語 5年

(1) NRTの結果(平成7年調査)

    
大 領 域 全県通過率(%) 全国比 中 領 域 全県通過率(%) 全国比
1 理 解 62.5 101 1−1 話の内容を正確に聞きとること
1−2 文章の叙述に即して読みとること
1−3 文章の主題や要旨を読むこと
1−4 気持ちや情景を読みとること
82.6
57.2
61.7
45.0
103
100
 96
100
2 表  現 77.0 100 2−5 目的や意図に即して話すこと
2−6 構成を考えて文章を書くこと
2−7 書いた文の見直しと叙述の工夫
80.1
72.0
78.1
100
 99
101
3 言語事項T 50.5  91 3−8 語の構成と成り立ち
3−9 修飾・被修飾の理解や主述の理解
3−10 敬語の正しい使い方
42.5
45.1
86.2
 92
 85
 96
4 言語事項U 61.3  98 4−11 漢字の読み書き
4−12 送り仮名と仮名遣い
53.4
72.5
 97
 98

(2) テスト問題作成の視点

1. 中領域で全国比が96以下

右の【表1】は,全国比が96以下の中領域を取り上げたものである。「修飾・被修飾の理解や主述の理解」と「語の構成と成り立ち」の全国比が低いことから,これらに関して,児童がどこでつまずいているのかを明らかにしたい。また,「理解」領域と「表現」領域のはとんどが全国比100であるが,その中で「文章の主題や要旨を読むこと」の全国比は96である。論理的な文章を読み取る力の基礎は,語句の理解や段落の要旨,文章の構成について正確に把握する力にある。その力がどの程度あるのかについて明らかにする必要があると考え,「文章の主題や要旨を読むこと」について調査することにした。言語事項Tの「敬語の正しい使い方」の全国比も96であるが,問題量と時間の関係上,本調査から除いた。

2. 全国比が94以下で上記の1.の中領域に含まれない小問

【表1】の中領域に含まれない小問の中で,全国比94以下の小問についてみると,漢字の読み書きに関する問題が,9問の中で7問を占める【表2】。このため,国語の基礎となる漢字の読み書きに関する事項についても,調査することにした。

【表1】
大領域 中 領 域 全国比
言語事項1 修飾・被修飾の理解や主述の理解 85
語の構成と成り立ち 92
敬語の正しい使い方 96
理 解 文章の主題や要旨を読むこと 96

【表2】
全国比94以下の小問 全県通過率(%) 全国比
漢字の書き(測量) 11 52
漢字の書き(招待) 29 81
漢字の書き(編む) 50 88
要旨の読み取り 62 89
送り仮名(快い) 71 90
漢字の読み(営む) 65 93
指示語がさす内容 72 94
推敲(成積→成績) 32 94
送り仮名(支える) 82 94


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