研究紀要第105号 「学力向上に関する調査研究」 -006/175page

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(2)テスト問題作成の視点

テスト問題については,NRTの結果をもとに,次のような視点から作成した。

1. 中領域で全国比が90未満

中領域の到達状況をみると,12の中領域のうち6つの中領域が,全国比90を下回っており,その中には,「量と測定」の中領域全てが含まれている。

以上を整理してみると,調査が必要な中領域は右の【表1】のようになる。

2. 全国比が82以下で,上記の1.の中領域に含まれない小問

【表1】の中領域に含まれない小問の中で全国比82以下の小問についてみると(【表2】),「正多角形の選択」を除いた4つの小問(「分数の減法」「分数の加法」「小数の除法」「小数の乗法」)は,5年で学習する基礎的な計算技能の問題である。「数と計算」の領域は,全ての領域の基礎であり,今後の学習に必要不可欠な内容を含んでいる。特に,計算技能を確実に身に付けさせることは重要である。

「量と測定」の領域とともに,児童にとってどこでどのようにつまずいているのかを明らかにする必要があると考える。「正多角形の選択」の小問については,問題量と時間の関係上,調査から除いた。

【表1】
大領域 中 領 域 全国比
量と測定 およその大きさと平均 74
量と測定 割合の比べ方と表し方 75
数量関係 数量の関係を式で表し,よむこと 84
量と測定 体積の表し方と求め方 86
数と計算 およその数を用いること 87
量と測定 いろいろな図形の面積 88

【表2】
全国比82以下の小問 全県通過率(%)   全国比
分数の減法(数と計算) 24 69
分数の加法(数と計算) 40 73
正多角形の選択(図形) 43 80
小数の除法(数と計算) 38 81
小数の乗法(数と計算) 42 82

(3)問題の内容と趣旨

大 問 問 題 の 内 容 問 題 の 趣 旨
整数・小数の乗法,分数の加減計算 計算過程と前学年までの既習内容の定着度を把握する。
平均の意味と求め方 すべての項目に数値がある場合とある項目が0である場合を比較する。
異種の二つの量の割合 どちらか一方の量を単位量にそろえる考え方が身についているかどうかを明らかにする。
異種の二つの量の割合 どちらか一方の量を単位量にそろえる考え方が身に付いているかどうかを明らかにする。
概形の面積の求め方 不定形の面積の求め方がどの段階でつまずいているのか,段階化した設問で明らかにする。
文字を用いた式 計算の過程を把握することで,つまずきの原因を明らかにする。
体積と容積の求め方 立式,計算過程,単位の換算等のどこにつまずきの原因があるかを明らかにする。
概数の用い方 見積る力の状況を把握し,計算技能の低い原因を明らかにする。

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