研究紀要第105号 「学力向上に関する調査研究」 -008/175page
3. 考察と対応
「ますの数を数える」方法の正答率は,「今まで習った図形の公式を利用する」方法と比べると,15ポイント低い。この差の原因は,「ますの数を数える」方法をとった児童が,まわりの線にかかっている方眼を数え,処理する段階でつまずいたためと思われる。
「今まで習った図形の公式を利用する」と答えた児童の解答分類は次のようになる。他の概形を台形とみなす解答が一番多いが,等積変形により長方形とみなして計算した考えは,より簡単で,しかも正確に求答することができていた。
台形
解答率88.9%
長方形
解答率 6.7%
長方形
+三角形
解答率 4.4%以上のことから,次のような対応が必要と考える。
ア 豊かな量感を身に付ける指導
基本的な単位の表す量を感覚的にとらえることが大切である。実際に「測定する」体験的な活動を重視し,基本的な量を自分の身の回りや自分の体にあてはめてまとめるなどの工夫をすれば,単位を身近なものと置き換えることができ,豊かな量感が身に付いていくのではないかと考える。
イ よりよい考えで解決できる力を育てる指導
多様な考えを大事にして,比較検討の際に,よりよい考えにまとめたり,いろいろな考えの中から問題にあった考えを選択させたりするなどの学び方を育てる必要がある。池(不定形)の面積を求める設問においても,多様な考え方の中から問題によって,よりよい考えを選べる力を育てる指導が望まれる。
3 中学校国語 2年
(1) NRTの結果(平成7年調査)
大 領 域 全県通過率(%) 全国比 中 領 域 全県通過率(%) 全国比 1 表 現 64.4 100 1−1 主題や趣旨を明確にした表現 52.6 97 1−2 適切な話題や題材の選択 71.5 99 1−3 優れた表現を求めること 81.6 101 1−4 適切な言葉遣いで話すこと 58.9 99 2 理 解 43.5 91 2−5 要点・要旨・主題の把握 39.3 94 2−6 文脈中の語句の意味や内容の理解 44.4 92 2−7 ものの見方や考え方・心情の理解 48.3 89 2−8 論理的な構成や展開の理解 40.1 93 3 言語事項T 35.6 88 3−9 単語の活用の理解 37.2 86 3−10 文の構成や付属語の働きの理解 33.7 90 4 言語事項U 38.7 86 4−11 漢字を正しく読むこと・書くこと 36.4 85 4−12 語句についての知識・理解 48.1 91