研究紀要第105号 「学力向上に関する調査研究」 -009/175page

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(2) テスト問題作成の視点

テスト問題については,NRTの結果をもとに,次のような視点から作成した。

1. 中領域で全国比が90以下

右の【表1】は全国比90以下の中領域を取り上げたものである。4つのうち3つまでが言語事項に関するもので,特に「漢字を正しく読むこと・書くこと」が全国比85と低く,次いで「単語の活用の理解」が全国比86となっている。これらに関して,生徒がどこでつまずいているか,明らかにする。

【表1】
大 領 域 中 領 域 全国比
言語事項U 漢字を正しく読むこと・書くこと 85
言語事項T 単語の活用の理解 86
理 解 ものの見方や考え方・心情の理解 89
言語事項T 文の構成や付属語の働きの理解 90

2. 全国比が90未満で,上記の1.の中領域に含まれない小問

右の【表2】は,上記の【表1】にある中領域に含まれない小問の中で,全国比が90未満の小問を取り上げたものである。小問のほとんどが大領域の「理解」に関係するもので,「叙述に即した読み取り」が低い。「言語事項I」,「言語事項U」における語句についての基礎的な力が十分でないため,理解領域全般に影響を与えたものと思われる。

そこで理解領域については,語句の理解と関連させて,文章を正確に把握できる力があるかどうかを明らかにする必要があると考える。

【表2】
全国比90未満の小問 全県通貨率(%) 全国比
漢字の部首(おおざと) 34 74
叙述に即した読み取り1 44 80
文の展開に即した理解 19 83
叙述に即した読み取り2 16 84
論理的な展開の理解 18 86
叙述に即した読み取り3 34 87
的確な表現 41 89
叙述に即した語句理解 72 89
文の要旨の把握 32 89

(3) 問題の内容と趣旨

大問 問題の内容 問 題 の 趣 旨
漢字の読み 小学校と中学校で学習した漢字の中から日常的に用いるもの,複数の読みを持っもの,形が似ていたり送り仮名が同じであるために混同しやすいものを選び,音訓とも出題し ,どこでつまずいているかを明らかにする。
漢字の書き 小学校と中学校で学習した漢字の中から日常的に用いるもの,同訓異字・同音異義語があり混同しやすいもの,形が似ていて混同しやすいものを選び,音訓とも出題し,どこでつまずいているかを明らかにする。
単語の理解
付属語の働きと理解
単語の活用についての理解状況を段階的に把握するため,より基本的な問題も加えた。
付属語の働きが文の中で見分けられるかどうかを明らかにする。

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