研究紀要第105号 「学力向上に関する調査研究」 -011/175page

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小問 解 答 分 類 解答率(%) 分 析
勤(正答) 51.9 小問3,4は同訓異字の使い分けができるかどうかを問う問題で,3が小学校,4が中学校で学習した漢字である。正答率は3が51.9%で,4が7.3%であった。
小問3では,正答の「勤」に対し,「同訓異字」(「務」と「努」)の誤答が35.3%あった。小問4では,正答「揚」に対し,「同訓異字」(「挙」と「上」)の誤答が63.5%あった。両問の誤答とも,同訓異字の文脈における使い分けができていない。
また, 「字形が不正確」 「字形が不正確」 のように「字形が不正確」な誤答が小問3では4.9%,小問4では1.8%あった。書き取り練習の不足が考えられる。
さらに,小問4では「その他」の中で「掲」という誤答が全体の1.6%あった。「掲揚」という熟語からの誤答であると推測されるが,「かかげる」という訓読みが十分身に付いていないことの表れである。
同訓異字 35.3
字形が不正確 4.9
その他 3.0
無解答 4.9
揚(正答) 7.3
同訓異字 63.5
字形が不正確 1.8
その他 14.6
無解答 12.8
縦(正答) 64.6 小問5,6は,訓読みで,字形が紛らわしい漢字の書き分けができるかどうかを問う問題で,5が小学校,6が中学校で学習した漢字である。正答率は5が64.6%で,6が40.3%であった。
小問5では正答の「縦」に対し,「部首が異なる字」(従)が4.9%あった。また,小問6では正答の「隠」に対し,「部首が異なる字」(穏)が2.4%あった。「部首の異なる字」の書き分けができていないための誤答は少ない。
しかし,小問5,6では 字形が不正確 字形が不正確 等のように「字形が不正確」である誤答が,5では5.5%,6では12.2%あり,「部首が異なる字」の誤答より多い。字形が似ている複数の漢字と混乱していると考えられる。さらに,「無解答」が22.6%,39.0%と比較的高い値を示している。
字形が不正確 5.5
部首が異なる字 4.9
その他 2.4
無解答 22.6
隠(正答) 40.3
字形が不正確 12.2
部首が異なる字 2.4
その他 6.1
無解答 39.0
価値(正答) 76.5 小問7,8は日常的に用いる漢字のうち,音の読みが比較的単純な漢字が書けるかどうかを問う問題で,7が小学校,8が中学校で学習した漢字である。正答率は7が76.5%で,8が61.6%である。大問1の7,8と比べて正答率が下がっている。
小問7では,「その他」の中で,「値」に「置」や「地」という同音の字をあてる誤答が全体の7.1%あった。
小問8では 字形が不正確 字形が不正確 等のように「字形が不正確」なものが11.0%あり,小問6に次いで高い値を示している。
「無解答」を大問1と比べると,大問1の小問7,8ではともに0%であったのに比べ,大問2の小問7,8では9.8%,21.3%と高くなっている。特に小問8の「遅刻」は生徒の日常生活の中でよく使われる漢字であるにもかかわらず,書くことについては定着の度合いが低い。
字形が不正確 2.4
その他 11.3
無解答 9.8
遅刻(正答) 61.6
字形が不正確 11.0
その他 6.1
無解答 21.3

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