研究紀要第107号 「基礎学力向上のための情意面の活性化」 -042/175page

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実践4 [ 高等学校 理科(化学IB) ]

1 対象・単元・期間

 ○対象 2年1・2組(選択)男子11名 女子18名

 ○単元 「酸と塩基の反応」

 ○期間 平成8年10月〜12月

2 情意面を活性化する具体的方策の実践

(1) 定着度別の班編成

教師の支援を効果的に行うために,「酸・塩基」についての中学校での学習内容の定着の程度により上位・中位・下位の3群に分け,それぞれ3〜4人の少人数で班を編成して授業を進めた。

(2) 思考活動を活発にするワークシート

調査1で支援要求の高かった項目7(自分の考えをまとめたり,発表したりすることができる)に配慮し,生徒が自分の考えをまとめることができるようにするため,考える目的や考える内容がわかるようなワークシートを群別に作って,実験や話し合いに取り組ませた。

3 結果と考察

方策(1),(2)の効果を把握するために,次のような自己評価票(一部)を用いた。評価結果については段階ア〜オを5〜1の5段階とし数量化した。

自己評価票(一部)

(1) 定着度別班編成の効果

図は,定着度別学習での教師の支援に対する生徒の評価(評価票Iの4項目の平均)と関心,意欲(調査2の項目1〜8の平均)との関係を定着度群別にみたものである。教師の支援を肯定的に受け止めている生徒が多かった。関心,意欲の評価では,上位群より下位群の評価が高かった。また,「考えることが面倒にならなくなった」という評価項目にっいて,「そう思う」「とてもそう思う」と,下位群8人中5人が回答し,定着度別に学習することにより,下位群でも思考活動が進んだと考えられる。

教師の支援と関心,意欲との関係
教師の支援と関心,意欲との関係

(2) ワークシート活用の効果

図は,ワークシートの活用に対する生徒の評価(評価票IIの4項目の平均)と,関心,意欲との関係を定着度群別にみたものである。

ワークシートの活用と関心,意欲との関係
ワークシートの活用と関心,意欲との関係

次の図は,ワークシートの活用に対する生徒の評価と思考活動(調査2の項目6)との関係を定着度群別にみたものである。


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