平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -089/175page
しも一致しないため,各校で設定した単元構成は複雑である。
例えば,第1学年の「生き物となかよしI」「生き物となかよしII」「生き物となかよしIII」のように飼育・栽培の単元を3つの単元で構成している小学校と大単元として1つの単元にまとめている小学校とがある。そのため,単元数を比較すること自体あまり重要ではない。
単元数の調査結果から得られた課題は,本県で採用している生活科教科書の指導計画の影響を受けている小学校が多いということである。各校の指導計画の単元の時数や小単元,活動内容等を比較すると,20校(30.7%)では教科書会社で設定した指導計画をそのまま活用している。
教科書は標準的なものとして作成されているが,児童の実態が違い,自分たちの生活する自然環境や社会環境を学習する生活科においては,福島県の各校で同じように活用することは難しいと考えてよい。
(2)第1学年各単元における時数及び単元構成各学校で作成した指導計画の各単元がどのように編成されているのか,単元時数,単元の活動内容,単元構成の点から明らかにする。
この単元の最低時間設定は8時間,最高は「生き物を育てよう」の内容を含めた大単元としている場合の31時間である。大単元としていない場合の最高は20時間である。時数の少ない場合は,小規模校に多い。
○ 活動内容
ア 友達と遊ぼう
イ 学校探検をしよう
ウ 学校の周り,通学路を歩く
エ 花を咲かせよう
オ 草花や動物を育てよう
内容(1)のみで単元を構成している場合が30校(46.2%)あり,一単元一内容となる。内容(1)と内容(5)含めている場合が33校(50.8%)で一単元二(複数)内容である。他に,内容(1)と関連する「ウ 学校の周り,通学路を歩く」については,3校(4.6%)で別に一単元を設定している。
この単元については,単元設定を分割している場合と大単元としている場合がある。また,他の単元に含まれている場合(「楽しい学校」における花を育てよう等)もある。その意味から単元時数の調査だけでは内容(5)の飼育・栽培について実態把握できない。
1単元設定 − 23校(35.4%)
2単元設定 − 34校(52.3%)
3単元設定 − 6校( 9.2%)
注1 単元名については,文部省の指導資料「指導計画の作成と学習指導」P.14.15または「活動参考例」を用いた。