平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -088/175page
内容との関連でどのように構成されているか。
2. 生活科指導計画の改善の方向性はどうあればよいか。
以上の点について研究するものである。
(2)研究の方法
この研究では,県内の小学校65校の生活科指導計画の調査を行った。調査対象は,平成7年度小学校経験者研修I,及び平成7年度小学校経験者研修IIの生活講座を福島県教育センターにおいて研修された先生方の小学校の生活科指導計画とした。
調査対象の小学校の地区及び学校規模の分布は下表による。
地区/学校規模 特A A B C 合 計 県 北 1 3 3 4 11 県 中 5 4 4 7 20 県 南 0 3 1 1 5 会 津 1 2 1 2 6 南 会 津 0 1 0 1 2 相 双 0 1 4 3 8 い わ き 0 5 6 2 13 合 計 7 19 19 20 65 III 研究の実際
1 指導計画作成の基本的な考え方
文部省発行小学校 生活 指導資料「指導計画の作成と学習指導」によれば指導計画作成の基本は,
(1)生活科の目標の視点を押さえ,内容の理解を深める。
(2)学校や地域の環境を把握する。
(3)児童の実態を把握する。
と示されている。
学習指導要領では生活科については,教科目標と各学年の目標と内容が示され,各学年の目標は「第1学年及び第2学年」として,一つにまとめられている。各学年の内容については,それぞれ6項目示されている。
〈第1学年〉
(1)学校の様子や学校生活にかかわる内容
(2)家庭生活にかかわる内容
(3)公共施設の利用や身近な自然や季節の変化にかかわる内容
(4)遊ぶものを作り,遊ぶ内容
(5)動物や植物を育てる内容
(6)入学してからの自分についての内容
〈第2学年〉
(1)日常生活にかかわる内容
(2)公共物の働きや利用にかかわる内容
(3)季節や地域の行事と生活にかかわる内容
(4)遊びに使うものを作り,遊ぶ内容
(5)自然観察や動植物を育てる内容
(6)誕生から現在までの成長を見つめる内容
これら内容と単元の関係については,指導計画作成にあたって配慮することとして次のようなことが述べられている。
○ 内容項目と単元とは必ずしも同一ではない。
○ 各内容は一度の学習で終了するとは限らない。
○ 各学年の内容は,該当学年のみで学習されるとは限らない。
○ 児童の実態や地域の実態に即して総合的に展開されるとともに,他教科との合科的な指導についても工夫したい。
生活科の指導計画については,これら指導要領や指導資料に示されたことをもとに,地域や学校の実態及び学級の児童の実態などに配慮した,より創意ある指導計画の作成を求めている。
2 指導計画の調査及び考察
各校では,「1 生活科指導計画作成の基本的な考え方」で示したこと等をもとに指導計画が作成され,さらに活用を経て改善が加えられてきたものと思われる。
(1)各学年単元数の比較
県内各地の小学校の指導計画における単元数は表の通りである。(数字は学校数を表わす)
5単元 6単元 7単元 8単元 9単元 10単元 11単元 12単元 1年 1 7 11 11 29 5 0 0 2年 3 2 3 5 18 29 1 2 生活科における単元は,「指導計画作成の基本的な考え方」に記したように,「内容」と単元が必ず