平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -136/175page
スでボタンを選択すると,回答の画面に切り替わり,正誤を表示するとともに,正誤の履歴がわかるようにした。回答画面の下半分には,解説を提示し,クイズをやりながら簡単な学習ができるようにした。
クイズの最後に判定画面を用意し,正答数に応じ4段階に分けてKRメッセージを出すようにした。
4 授業での活用
(1)実践にあたって
開発ソフトウェアの有効性を確かめるため,これまでにも「奥の細道」の授業で発展学習を手がけてこられた福島市立北信中学校の高澤正男教諭に授業の実践をお願いした。
(2)実践指導過程
<中学3年国語 「古典を味わう(夏草『おくのほそ道』から)」>
◎本時の目標 (本時 5/6)
グループごとに分担して「おくのほそ道」ガイドブックを作ることができる。
学習活動・内容 指導上の工夫・支援等 1.本時の学習目標を確認する。
みんなで「おくのほそ道」ガイドプックを作ろう。
2.作成計画について○ 学習目標を確認し,学習の筋道をとらえるようにして,学習意欲を高める。
○ 今まで学習してきたことをもとに,自分たちで調べてみたいことを出させる。
○ 作成計画についてグルー
4.グループごとに作業を進める。
(1)作業の手順について話し合う。
(2)作業を進める。
資料の収集
資料
・図書室の本
・ コンピュータ
・本文のプリント
・資料集
・県立図書館の本
・家にある本
5.本時の学習のまとめをし,次時の学習・内容を知る。
次時の学習内容
グループごとにガイドブックの中身をまとめる。
○ どんなふうにまとめるのか最終的な形を確認させる。
○ 作業が停滞したときには適切な援助をする。
○ グループで話し合わせ解決させる。
○ 福島県の部分を選択したグループはコンピュータを使用する。
○ その生徒なり,グループなりの特色が出ているものを賞賛する。
○ 意欲的に作業を進めていた生徒,グループを賞賛する。
○ 他のグループの参考なるものは紹介させる。
○ 次時は,さらに作業を進めることを知らせる。(3)活用の実際
使用するコンピュータは全部で5台,内1台はプリンタと接続して画面をプリントアウトできるようにした。一角にコーナーを設け,1台のパソコンを2・3人で操作できるように配置した。
福島県を選択したグループのほとんどがコンピュータを使用した。操作方法に関するとまどいもはとんど見られなかった。クイズからはじめるグループも見られたが,次第に資料を検索し,必要に応じてノートやワークシートに書き写したり,順番を待って画像資料をプリントアウトする活動が多く見られるようになった。
学習が進むにつれ,他のグループとお互いの資料の検索結果のやりとりや,検索方法を教え合ったりして協力する姿もみられるようになった。
(4)授業実施結果の考察
1. 授業指導者の考察(高澤教諭)より
コンピュータを使用したグループについて具体的成果として以下のことを得ることができた。
・ コンピュータを活用したグループは,今まで以上に,意欲的に学習に取り組むことができた。自分の力でコンピュータを操作し,どんどん作業を進めていく姿が見られた。
・ これまでの調べ学習で,文献や資料にあたって調べることに抵抗をもっていた生徒が,コンピュータを活用できたおかげで,生き生きとスムーズに学習することができた。
2. イメージ調査の結果より
授業の事前と事後に「コンピュータを使う古典の授業」についてのイメージ調査を行った。その結果,グラフ1のようなデータが得られた。
グラフのデータには事前が全員の平均値に対し,事後はコンピュータを使用した生徒の平均値を用いた。特に変化が顕著なのは 「1やさしい」,「3まじ