平成8年度 研究紀要 Vol.26 個人研究 -137/175page
めな」,「8静かな」,「9すっきり」 となっており,操作が簡単であったことと,集中して学習したこと,さらに,今回のソフトを使用したことにより自己の課題が解決されたこと等が読みとれる。
3. アンケートの調査結果から
クラス全員に授業の他にソフトのモニターをお願いし,以下のような結果を得た。
1 画面について(字・図の大きさ 配列 色) 集計結果(人) ア とても見やすい 17 イ 見やすい方 17 ウ 見にくい方 2 エ とても見にくい 0 2 操作性について(ボタンの位置 表示の仕方) ア とても使いやすい 16 イ 使いやすい方 19 ウ 使いにくい方 1 エ とても使いにくい 0 3 資料の充実度について ア とても充実している 10 イ 充実している方 20 ウ あまり充実していない 5 エ 全く充実していない 0 未解答 1 4 資料の難易度について ア とても理解しやすい内容 9 イ 理解しやすい内容 20 ウ 理解しにくい内容 5 エ とても理解しにくい内容 0 未解答 1 4. 生徒の感想から(抜粋)
【開発ソフトについて】
○ 資料を印刷できたので,自分のまとめに使えてよかった。
○ 音声(朗読)が入っていて本文を読んで理解するのに役立った。
○ 難しい言葉があった。
○ 他県の部分も欲しい。
【授業・学習内容について】
○ 古典の持っ難しそうなイメージや古いといったイメージが変わり,関心が高まった。
○ 古典が身近に感じられ興味が持てた。
○ 小学校の頃に遠足で文知摺観音に行き,その時この石の伝説を聞いたことがある。その伝説についても(授業で)知ることができたし,芭蕉という有名な俳人が近くを通ったというのに感動した。
4 開発のまとめ
(1)成果
○ マルチメディアを活かし音声・画像等の資料が充実したソフトウェアを開発できた。
○ 構成にクイズの部分を加えたことが活用の幅を広げた。
○ SEと共同開発したことによって,操作性・画面構成・クイズの成績処理と表示等,ソフトの細部にわたってかなり向上したものになった。
○ 協力校での授業実践により,生徒の主体的学習のツールとして活用できることが確認できた。
○ 図書館の活用と関連させることにより,幅の広い学習活動が可能となり,生徒の主体的で自由な学習活動を保障するとともに情報処理能力の育成に役立つ新しい支援方法を見いだすことができた。
(2)課題
○ ソフトウェアの難易度をどの程度にするか。
○ 他県の部分のソフト開発をどうするか。
○ 音読の指導に役立てる等,開発ソフトを使用した多様な活用事例の研究を進める。
《参考文献等》
・相澤秀夫 著 「授業改善のための学習指導論」 文部省 中等教育資料 No.671〜673(1996) ・大平浩哉 著 「進んで参加できる国語の授業をめざして」 文部省 中等教育資料 No.674(1996) ・瀬川榮志 著 「学校図書館を『学習センター』へ転換させる企画と構想」 授業研究21 11月臨刊 No.421明治図書(1994) ・井本農一 堀信夫 相賀徹夫 校注・訳 「日本古典文学全集 41 松尾芭蕉集」 小学館(1972) ・横井 博 著 「福島文庫18 福島奥の細道」 FCT出版(1975)