研究紀要第111号 「福島県の児童生徒の学力の到達状況に関する研究」 -045/166page

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生徒がさまざまな段階でつまずいていることがうかがえる。

[資料1]    (「平成8年度調査」」より)

次の文章を読んで,あとの問に答えなさい。
           (※ 文章省略)

1 「うれしい」の活用形を答えなさい。
2 「言っ」の活用の種類を答えなさい。

小問

回答分類

回答率
(%)

1

連体形(正答) 15.9
他の活用形 24.4
活用の種類 21.3
その他 11.5
無回答 26.9

2

五段活用(正答) 26.9
活用形 21.3
他の活用の種類 14.6
その他 9.2
無回答 28.0

3) 指導の要点

ア 文法学習への抵抗感を取り除くエ夫をしよう

かなりの生徒が文法と聞くと抵抗感を持つのは,文法用語や活用表の機械的暗記などに負担を感じ,それらの文法の知識が文章理解や表現活動にどのように有効な働きをするかが理解できていないことによると考えられる。そこでまず,身近な例を通して生徒の文法学習への抵抗感を取り除く工夫をし,文法学習の必要性と有効性を生徒自身に気づかせる必要がある。例えば,導入の段階で次のような例文を示し,2つの例文の間にどのような違いがあるのかを考えさせ,その違いはどこから生まれるのかを調べさせるという方法がある。

土手の楼は,もうすぐ咲きそうだ。

土手の楼は,もうすぐ咲くそうだ。

かな文字―つの違いによって動詞の活用形が異なり,接続する助動詞の意味・用法も異なり,文章全体の意味が異なってくることに気づかせ,興味を持たせていくのである。このような文例をカードに書かせ,その数を増やしながら授業の中で随時活用させるようにしたい。

また,文法用語の意味の理解を定着させるために,次の例のように「活用形」や「活用の種類」などを意識させた短文を書かせ,生徒相互に話し合わせて発表させるなどの作業を入れると,より効果的である。

例 「言う」の連用形と上一段動詞の終止形
をともに用いて短文を作りなさい。


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