研究紀要第112号 「基礎学力向上のための授業改善に関する研究」 -079/166page
実践6
中学校 技術・家庭 l 対象・単元・期間
○対象 3年 男子23名 女子16名
○単元 「照明器具」
○期間 平成9年10月〜12月2 思考活動を活発にする具体的方策の実践
蛍光灯は,見かけは単純だが内部に複雑な働きをする部品が多いため,部品の働きを理解していないと,蛍光灯の仕組みや働きを理解するのは難しい。また,分解して通電した蛍光灯の観察では,感電の危険性もある。
そこで,蛍光灯の仕組みや働きを理解するために,電気の流れを視覚的に把握することができ,さらに,安全に操作できることをねらいとして,蛍光灯回路展開坂を製作し活用した。
生徒が,この教材を使い,展開板上に蛍光灯の部品を自由に置きながら回路を組み,現象を確認しながら操作することで,思考活動を活発にし,技能を身に付けさせるようにした。
<グロースタータの働きを知るために
蛍光灯の部品を結線した蛍光灯回路展開板>
結線された蛍光灯回路展開板に通電するときは,回路の短絡事故を防ぐために,ヒュ―ズを通した電源板から家庭用100V電源を供給した。
(2)思考を段階的に深める学習プリントの活用
蛍光灯の学習では,蛍光灯回路展開板を使いながら思考活動が活発になるように,ここでは思考活動を4つの段階に分けてとらえ,授業を展関するようにエ夫した。次は,思考活動の4つの段階とその流れを示したものである。
第1段階
○蛍光灯の点灯する様子を観察して,課題
を把握するために考える。
( 課題を把握する段階での思考活動 )
↓
第2段階
○蛍光灯の部品の働きを知るための実験
回路を考える。
( 課題解決のための観察,実験の方法を
考える段階での思考活動 )
↓
第3段階
○実験回路から,どのようなことが予想
されるかを考える。
( 課題解決のための観察,実験の結果を
想する段階での思考活動 )
↓
第4段階
○観察,実験の結果から,蛍光灯の部品
の働きを考える。
( 課題解決のための観察,実験の結果を
考察する段階での思考活動 )また,生徒が段階にそって考えるために,考える目的や必要性をつかむことができるような内容の学習プリントを作成した。