研究紀要第113号 「情報ネットワークの教育的活用と授業改善へ向けた教育用ソフトウェアの活用」 -088/166page

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情報ネットワークの教育的活用

指導主事 佐藤 和紀 長期研究員 佐藤 雅義 森山 敦

研究の趣旨

高度情報通信社会と言われる昨今,教育の世界にも情報通信化の大きな波が押し寄せてきている。この現状を踏まえ,情報教育の方向性は,当初のコンピュータ等の条件整備と教育に携わる個 の技能くコンピュータリテラシー)向上の視点から,ネットワーク通信に関する条件整備と情報ネッ ワークの学校における有効利用を強く意識した視点へと変化している。

本研究は,情報ネットワークに関して学校教育で利用できる内容・とその範囲外の内容を調べ,学校教育における情報ネットワークの効果的な活用について検討するものである。

I 研究の意図

本研究は,情報通信ネットワークを有効に活用し各学校間や様々な機関,人々と有機的に結ばれ連携と協カの下で教育を進めていくための手だてとして,情報の発信,収集と整理,ネットワーク環境とその支援システムについて検討し,活用可能な状態にすることを目指すものである。情報通信ネットワークが実現され,これまで物理的に難しかった情報の収集・交換・整理が容易となれば,時間的・空間的なゆとりを生みだし,「生きるカ」に結びつく学力を育てる学校教育の創造に大いに寄与すると考える。

II研究の内容・方法

研究は,UNIXをサーバ(ネットワークの中枢となるコンピュータ)とした161台のクライアント(ネットワークの子機)からなる所内ネットワークを利用して行った。

ネットワークで実現できることと実現できそうにないことを明確にするため,(ほとんどすべてのネットワーク技術を含めた)所内専用ホームページを作成した。その内容は次のとおりである。

○ホームページ作成で使用した言語

・HTML ・JavaApplet・JavaScript・VBScript

サーバ側プログラムの開発で使用した言語

・SSI・CGI(C、Perl9

この結果、次のことが明らかになった。

静的な画面を使った教材の作成や情報の発信は,HTML(示ームページを作成するための簡易言語)を主として使用したホームページが有効であることが分かった。HTMLを主として使用したものは,コンピュータの知識があまりない利用者でも簡単にホ―ムぺージが できて取り扱いが容易だからである。

2 アンケートの集計や掲示板,アクセスカウンタ(何人の利用者があったかをカウントするプログラム),コンピュータが働きかけて利用者を支援するような動的な教材については,サーバ側のプログラミシグ言語であるCやPerlを利用しなければならないことが分かった。また,このサーバ側のプログラムを使えばかなり複雑な内容の示ームページを実現することができる。

8 ネットワークは通信という手段をとっているので通信速度や送受信できる情報の量において限界があることを考慮しなければならない。

以上のことを踏まえて,本研究では次の2テーマについてさらに研究を進めることにした。

                          

1 サーバ側プログラムを利用して学校内業務の効率化を目指した研究

「lnternet/lntranetを利用したアンケート集計システムの開発」

2 誰でもが簡単に作成・利用できる学習教材を目指した研究

「授業改善へ向げた教師の教材研究を支援するデータベースの構築」


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