研究紀要第113号 「情報ネットワークの教育的活用と授業改善へ向けた教育用ソフトウェアの活用」 -110/166page

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を明確にしながら開発を進めることができた。また,過去2年間の開発研究が財産となり,今回の開発ソフトウェアの充実につながった。

△ 開発計画と実際の経過にずれが生じた原因を分析し,その結果を今後の開発に生かすようにする。

△ 開発スタッフのプログラミングに関する知識・技能の充実に努め,デバッッグに生かせるようにする。

2 授業における活用を通して

○活用のねらいに応じて授業案を作成し,開発ソフトウェアの活用方法について具体例を提示することができた。また,目的に応じた活用の大切さをあらためて実感できた。

○イメージ調査などから,授業で実際に開発ソフトウェアを活用することで,特に生徒の学習意欲を高め,主体的な学習活動を支援する視点から授業改善に向けて有効であることが分かった。さらに,ソフトウェアのデバッグに向けて生きた資料を得ることができた。

開発ソフトウェアが,進路指導における「啓発的体験活動」への意欲付けとそのきっかけを作る上で大いに役立った。(生徒・授業者の感想や意見より)

△今回開発したソフトウェアは,職業インタビューを疑似体験するものである。しかし,本来の開発の目的は,進路の学習における「啓発的体験活動」を通して生徒が主体的に活動する場を生み出し,その活動を支援しようとするものである。その意味から,今後この疑似体験から直接体験への橋渡しとしてどのような支援が必要なのかを追求し,活用法を探っていきたい。

△今回の授業では,移動可能なノート型コンピュータを使用したが,使用台数は7,8台と少数であった。今後さらに,コンピュータを学習環境の―部に有機的に位置づけるとともに,コンピュータの設置環境に応じた多様な活用法を模索しながら,授業改善に向けた効果的活用法を探っていきたい。

△ 学校教育全体を通して行う進路指導をより充実させるため,各教科,道徳との関連を図り,学年の系統性をふまえながら,ソフトウェアの活用を指導計画に位置づけることによって,更なる活用の効果が期待できるものと考える。今後,開発ソフトウェアの有効活用に向けて研究を深めたい。

△ 開発ソフトウェアの内容からみると小学校での活用も可能であると考える。小学校における具体的な活用法についても研究していきたい。


〜おわりに〜

本研究を進めるにあたり,取材に快く応じて下さった多くの方々,また,授業実践をお引き受けいただいた,双葉郡大熊町立大熊中学校の校長先生はじめ,諸先生方に厚く御礼申し上げます。


(参考文献・資料)

・「中学生活と進路」(福島県 '97年版)

・第16期中央教育審議会
 「中央教育審議会第二次答申」

・教育課程審議会
 「教育課程の基準の改善の基本方向について
  (中間のまとめ)」 (1997)

・授業改善「授業の窓」 授業を変える
 (福島県教育資料研究会)

・授業改善「授業の窓」 授業を創る
 (福島県教育資料研究会)

・水越敏行著 「メディアが開く新しい教育」
            (学研 1994)


今回開発した進路学習支援ソフト「働く人々に学ぶ」(CD-ROM版)をご希望の方は,福島県教育センター情報教育部まで電話またはFAXでお問い合わせ下さい。


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