平成9年度 研究紀要 Vol.27 個人研究 -136/166page
設問2 画面としての認識の傾向
図4を提示して次の出題をした。
「例」に似たものは,ア,イ,ウ,のどれですか。 1つ選んで下さい。
この問いは,似たものという問いかけに対してウの,画面の配置と構成に気付く者がどのくらいいるかを調べるものである。アを選んだ者は「例」の大きさと数に「例」と共通してものを感じ,イを選んだ者は形そのものを「例」との共通点としている。
グラフ1 がその結果である。上のグラフのA,Bの表示はそれぞれAグループ,Bグループを表しア,イ,ウはその設問の選択肢である。
ウについて,A が35%であるのに対し,Bでは67%と大分開きがある。これは,例えば静物画を描く場合のモチーフの位置関係をどのように認識するかということと関係がある。バック( 地)と,モチーフ(図)の関係で捉える可能性が高いのは,ウを選んだ者であろう。Aで最も多いのはイ (144名中77名)であり,形そのものへの輿昧が強いことを示している。
設問3 形態におけるシンメトリー傾向
設問4 画面におけるシンメトリー傾向
図5(設問3),図6(設問4)を―緒に見ていく。出題はいずれも次の通りである。
次ぎのア,イ,ウのうち,好きなものを1つ選んでください。 どちらとも,好きなものをlつ選ぶ3択問題である。ねらいの傾向が似ているので実際の調査用紙では別々のページに載せてある。設問3の結果がグラフ2,設問4の結果がグラフ3である。
2つの設問に対して好みの傾向が,それぞれA,Bとも非常に似ている。設問3は形自体のシンメトリー傾向を,設問4では画面の中におけるシンメトリー傾向の様子を見た。両方ともアはシンメトリー