平成9年度 研究紀要 Vol.27 個人研究 -139/166page

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表1
表1
横・縦の数はそれぞれ交差した部分の数を含んでいる。

表-1は,縦・横をそれぞれ9等分してできた中央の上下左右に伸びる帯の範囲(図12の模様で示した部分)に入るグループごとの交点の実数と割合を表したものである。

この表から,Aにおいて,水平線を画面の中央付近に引いた者が42.6%おり,Bにおける22.1%の倍近くになっている。このことは可能性として,Aの者は静物を描く場合のテープルの線,風景を描く場合の地平線を,画面中央付近にとる者が多いであろうことを示している。

[調査2]

図13
図13

図14
図14

図15
図15

図16
図16

図13から16がワークシートの演習に使用した絵柄である。出題の要旨は次の通りである。

図13 葉を2枚描き加えてみよう。

図14 好きな果物を描き加えてみよう。

図15 何に振り返ったのか好きなものを描き加え,そして四角の枠で囲んでみよう。

図16 消えている富士山を復活させよう。

いずれも日常,授業の中でこのような問いかけや演習は行われていると思えるが,仮説検証のためにこの4つの絵柄による演習に絞った。これらの中には,演習の過程において以下の3つの変化を促す要素をちりばめたつもりである。

1)形そのものに対する興味から図と地の認識へ。

2)シンメトリー(対称)を好む傾向から非対称 を好む傾向へ。

3)個々が取る画面の中心を中央集中から分散へ。
なお,いずれの絵柄も画面右側に対象者の意識が向くように配置し選択してみた。

以下,調査の結果を述べる。なお2つのグループを次のように表記する。ここでのグループは描画の傾向とは全く関係がない。

Cグループ ワークシート未実施 2201名

Dグループ ワークシート実施 198名


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