平成9年度 研究紀要 Vol.27 個人研究 -146/166page
カを十分に使い学習することで,感情が豊かに引き起こされる。その感情を味わう事で,次への意欲が湧いてくると考える。
今もっている力で学習の楽しさを十分に味わう ことを基本に,生徒の技能の伸びに応じて新たな課題を設定し指導過程を考えていくことが必要である。
(4)第4段階 感情を分かち合う
1時間の授業の最後に チームBごとに,授業を振り返る時間をもうける。 チームのメンバーが,それぞれ感想を自由に述べ合うことを通して,気持ちを受け止めてもらえたという思いを抱く事ができると考える。また,話し合ったことをチームごとに発表し,全体で気持ちを共有する。このことで,「教師と生徒,生徒と生徒が互いの気持ちを受け止め,理解が深まった関係」というよりよい人間関係が育まれると考える。
IV 研究の実際と考察
1 協カ学級の実態
協カ学級の人間関係を育むための課題を把握することをねらいとしてアンケートを行い,次のような結果を得た。
(1)クラスのみんなと―緒にいると楽しい,クラスのみんなと―緒にいると安心する
アンケートの結果[図1],クラスの楽しさについては,35人中29人が「とても思う・まあまあ思う」と回答し, 「あまり思わない・全然思わない」と回答しているのは6人であった。また,クラスの安心感については,35人中27人が「とても,思う・まあまあ思う」と回答し,「あまり思わない・全然思わない」と回答しているのは8人であった。両項目ともに同じような傾向であった。
クラスの雰囲気については,「明るい,楽しい,協カ的」と24人がとらえている。―方, 「ふつう,わからない.無回答」とクラスの雰囲気をとらえきれない生徒が9人いる[図2]。次に,自分の気持ちを受け止めてもらえている群と受け止めてもらえていない群に分け,それぞれクラスの雰囲気をどう感じているかを集計した[表1]。
[表1]気持ちを受け止められたかによる比較
受け止めらている 受け止められていない ・明るい(7人) ・楽しい(6人)
・協力的(3人)
・少し明るい(1人)
・いい(1にん)
・明るい(4人) ・楽しい(4人)
・ふつう(5人)
・わからない(1人)
・無回答(3人)
その結果,自分の気持ちを受け止められていないと感じているグループの中に,クラスの雰囲気をとらえきれない生徒9人全員が入っていた。クラスのよい雰囲気をつくり,自分の気持ちが受け止められたと実感できる,よい人間関係を育んでいくことが必要である。
(3)クラスの友達との感情の交流