平成9年度 研究紀要 Vol.27 個人研究 -147/166page
クラスの友達との感情の交流ができたかについて「あまり思わない・全然思わない」と回答している生徒は,クラスの半数以上の20人である [図3]。普段の学校生活で,互いに気持ちを受け止め合う機会や場が少ないためと考えられる。
(1)〜はの実態から,感情の交流を深める保健体育の授業の実施上の留意点として次の事が考えられる。
○ 感情の交流を深め,互いの気持ちを受け止め合う機会や場が効率的に機能するように, こころを柔軟にするウォーミングアップを十 分に取り入れること。
○自分の気持ちをクラスの友達や先生にわかってもらえたと感じられる機会や場を,学習活 動の中に意図的に取り入れること。
○安心して学習できるために,生徒―人―人を肯定的に受け止め,自信を持たせる教師の かかわりを取り入れること。
2 指導援助の実際
(1)指導計画
○単元名―バスケットポール(総時教17時間)
○ねらい―バスケットボールに意欲的に取り組み, より質の高いゲームの楽しさを昧わう。
階段 ねらいと学習活動 はじめ
(1)○オリエンテーション
・グルーピング
・学習の見通し
・役割分担なか1)
(10)
[ねらい1]
どの生徒も,よりバスケットボール
の楽しさを味わえるように個人や
チームの課題を解決しながらゲ
ームを楽しむ。○ゲーム→チーム練習→ゲーム
○個人のめあて別練習なか2)
(5)
[ねらい2]
いろいろなチームを編成し,それ
に応じたルールを決めてゲーム
を楽しむ。○力の均等なチーム
○一緒にプレイしてみたい者同士のチームまとめ
(1)○単元全体を通しての振り返り (2)実践の様子(抽出生徒A男を中心に)
抽出生徒A男を中心に,感情の交流がどのよう深められたのかろ述べる。
1)A男について
[担任] 自分の思いを行動として表現することはほとんどない。クラスの中でも目立たない存在で,友達の和の中になかなか入れずにいる。
[アンケート結果 (事前)] クラスの雰囲気 −無回答
みんなと一緒にいる楽しい−あまり思わない
みんなと一緒にいると安心ーあまり思わない
感情を味わえる ーまあまあ思う