平成9年度 研究紀要 Vol.27 個人研究 -156/166page

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「親は,わたしの自
由を奪ってきた。不
登校になってから
すきなことやれっ
ていわれたって,
いまさら何をやるの」
・話をじっくり聴く事
で自分の気持ち
を整理できるよう
な支援
・生活リズム改善
の助言
「わたしのことを考え
ていてくれる人もいる
んだな,うれしい」「自
分のことで考えていこう」

 




「・・・・・・・・・・」
「(動き出したい,
誰か僕をわかっ
てくれる人はい
ないかな。今の
状態をどうにか
したいと思うん
だけれども・・・)」
・他の人とどうか
かわればいいか
戸惑う本人の気
持ちに耳を傾け,
じっくり聴く事で,
本人を真正面
から受け止め
るかかわり
「今までの自分がい
やだ」「他の人のこと
が考えられるようにな
ってきた気がする」「お
父さん,お母さん,話
を聞いて」「話せるか
もしれない・・・・・」

[不登校の子どもの姿]
○自分に対し,能力の
 ないだめな人間とい
 うイメージをもち,自
 身をなくしている姿
○誰かに助けを求め
 ている姿

 

 

[基本的なかか
     わり]
○ありのままの
 子どもを見つめ,
 心情を聞こうと
 すること
○今,必要とし
 ている支援をし
 ていくこと

 

[子供の変容の姿
       から]
○子供はありのま
 まの自分をみつ
 めてくれる人が
 いれば,自分で
 動き出す事
○子供は向上心
 や可能性をもっ
 た存在である事

(2)事例から見えた学校・家庭でのよいかかわり

(学校でのよかったかかわり)

○教師は,本人が登校していなくても学級の―員であるという意識をもって本人や家庭と連絡を取り合っ ている。

教師は,学習に不安を感じている子どもには,本人に合った学習の進度,学習の量,学習時間等を提 案したり,個別指導したりして,不安を軽くしている。

○何となく不安を感じている子どもや多人数と接することに不安を感じている子どもには,教室以外の 場所を学習の場とすることや時間帯を変えて登校することを教師が提案している。

○不安が強い子どもや保護者には,専門機関を紹介し,その専門機関と連携を図る中で問題の改善を目 指している。

(家庭でのよかったかかわり)

○登校することに強い不安が見られる子どもには,心身ともにゆっくり休める環境をつくっている。

家族が,本人の元気なときもそうでないときも,あなたを見ているという気持ちでかかわっている。

○子どもによい変化がみられたとき(手伝い,挨拶・返事,外出等)には,たとえそれが些細なことで あっても,事実を伝えて積極的に認め励ましている。

3 事例

問題が異なる不登校の3事例を取り上げ,学校・家庭のどのようなかかわりによって子どもがどう変容していったかをみていく。そこから,学校・家庭でのかかわり方の手がかりを探る。


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