平成9年度 研究紀要 Vol.27 個人研究 -158/166page

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(家庭でのよかったかかわり)

○閉じこもりがちなJ子に外出や相談機関に通うことを勧めたり,励ましたりしている。

○本人がしたいと思ったことや規則正しい生活をすることを見守りながら応援している。

(2)友人関係のつまずきから不登校になった4例

1)対象 中学校l年生 男子 (C男)

2)問題

○5月の連休から断続的に欠席し 7月初めから登校できなくなる。

○朝になると吐き気を訴える。

○学校での人間関係がうまくいかず,外出したり人と会ったりするのを避ける。

3)資料

○学校での友人関係がうまくいかないことから登校を渋ることがある。

○家族は,祖父母,母親,本人,小学校6年生の妹の5人である。祖父母が学校に行かな い本人を家族の恥というとらえ方をしており,本人は傷ついている。

○本人は,友人A男とは,よく電話で話したり遊んだりしていた。

4)指導援助の方針

<相談機関 → 本人>

○ 本人が気持ちや考えを整理できるようにゆっくりと話を聴き,信頼関係を築く。

○学校は休んでいても, 家族と同じ時間帯で生活ができるよう助言する。

5)指導援助の経過

自分を話し始めるC男

「誰かに話したかった。話さないでいたら,どうにかなりそうだった。行こうと思うんです。でも行けないんです。学校には,平気で人を傷つける人がいるし……,先生も,『なまけかな…』なんて言うし,家ではおじいちゃんが世間体が悪いって・・・・・・」

初めて相談室を訪れたC男は,自分の胸の内を次々と話し始めた。話すことで,自分の気持ちを確かめている様子であった。夏休みを母親,妹とゆったりと過ごし,学校の課題もきちんとやり終えたが,2学期が始まっても登校できなかった。

「行けそうだ」「朝になるとだめだ」という毎日を繰り返し 2か月が過ぎた。

休むことで力を蓄え,自分を見つめるC男

<相談機関からの助言>

本人へ;無理してないかな。休むことが必要な時もあるよね。

母親へ;ゆっくり休める環境をつくってあげられるといいですね。本人を見守ると同 時に,お母さん自身,好きなことをやるのもいいですね。

母親から祖父母へ「ちょっとの間,C男をそっとしておいて」と頼んだ。しばらくの間,C男は安定した生活を送った。

ある日,C男は自分から友人A男に次のような電話をかけている。

C;・・・・ずっと休んじゃって・・・・。

A;―人―人違うんだからマイペースでやればいいじゃないか。

学校では,教頭から担任へ次のようなアドバイスがあった。

・保護者とはたえず連絡を取り合い,相談面接の様子や家庭での様子を聞くこと

・本人をそっとしておくことが必要なときもあること

相談面接では,じっくりと自分のことを見つめようとするC男の言葉が印象的であった。

「時間のない生活をしてる。時間を感じる生活をしたい」「担任の先生に会いたくないこともある」「先生や学校,家の人が嫌いになるなんて自分は学校や友達,嫌なことから逃げているのかな,弱いのかな」「学校のことになると悪い方へ考え


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