研究紀要第116号 「学校の活性化を目指す教員研修に関する研究 第3年次」 -011/117page
おかつ,下のグラフからも分かるように,対象教員が担当する学年が比較的中学年に多いこともその裏づけとしてとらえられた。
教科別の研修時間も必然的に研修回数に比例することも分かった。
「授業参観」研修は,最低でも1回実施すれぱよいが,上のグラフから4〜6回の実施が半数を占めていることが分かる。10回以上も多く行われていて,「授業参観」研修の重要性を裏付けている。
1回あたりの平均研修時間では,「研究授業」研修では事前・事後研究を含めて3時間の確保がなされているが,「授業参観」研修は3時間に満たない状況にある。十分な時間の確保が望まれる。
両研修ともに,6月及び9月〜11月にかけて多く実施されていることが分かった。また,「研究授業」研修においては,12月や2月にやや多めに実施されていることも浮き彫りになった。
2 「授業参観」研修と「研究授業」研修に対する初任研対象教員及び指導教員の意識把握
アンケート調査をもとに,以下の項目について調査・分析し,考察を加えた。
<アンケート調査の主な内容> □「授業参観」研修について ○具体的な視点となるテーマ設定の有無 ○効果的な事前・事後研究の在り方 ○主な参加者 ○研修の効果を上げる条件整備 □「研究授業」研修について ○『中心となる研究主題』設定内容の在り方 ○効果的な事前・事後研究の在り方 ○主な参加者 ○研修の効果を上げる条件整備 □対象教員が自認する教科指導力の度合
(1)「授業参観」研修実施におけるテーマ設定
「授業参観」研修を実施するにあたっては,具体的な参観の視点を設けて研修を実施している実施校が多い。その視点の設定にあたっては,対象教員,指導教員とも,“発問の仕方と児童の反応の生かし方”“児童主体の学習活動”“学習指導案の作成”等を特に重視していることが分かった。
(2)「研究授業」研修における「中心となる研究主題」設定
「研究授業」研修の『中心となる研究主題』設定にあたっては,対象教員の意向尊重を第一義とし,それに指導教員が指導を加えて研究主題を設定していることが分かった。
(3)「授業参観」研修及び「研究授業」研修における効果的な事前・事後研究のあり方
両研修ともに事前・事後研究の実を上げるため,指導する側が対象教員に必要事項を指導する形をとったり,対象教員の質問に答える形をとるなどして,弾力的に研修を進めている様子がとらえられた。
(4)「授業参観」研修及び「研究授業」研修の参加者
「授業参観」研修では対象教員と指導教員のみが参加する形態が約半数を占めたが,「研究授業」研修においては,指導教員に加えて,同学年や空き時間の先生(校長や教頭を含む)が多く参加しており,