研究紀要第116号 「学校の活性化を目指す教員研修に関する研究 第3年次」 -014/117page
態には大きな差がある。
(2)「研究授業」研修の状況
・「研究授業」研修は,福島県初任者研修実施要項により,教科指導の必須項目として事前・事後研修を含め,5回は実施しなければならない。
1.「研究授業」研修の指導時間
《平成9年度初任者研修実施報告書よリ》指導時間(研究授業の時間と事前・事後指導の時間)が,2時間以下(総時数10時間〔2時間×5回〕)の初任者は10%である。それに対して,5時間以上(総時数25時間〔同様〕)の指導を受けている者は,16%である。
2 平成9年度アンケート調査による実態と考察
(1) 模範となる授業参観の機会
研究授業実施にあたり,対象教員に応じ設定された研究授業の主題にそった模範となる授業を参観する機会は,・毎回ある(8%),・時々ある(53%),・ない(39%)である。「授業参観」研修と「研究授業」研修の関連を明確にした指導が必要と考える。
(2) 事前・事後研修の状況
《平成9年度アンケート調査結果より》
「授業参観」研修では,事前・事後研修を受けていない対象教員が26%いる。対象教員の教科の力量を向上させるためには,単に授業を観ることのみにとどまらずに,指導する者の参観授業から多くを学ぶための適切な助言は重要であると考える。
「研究授業」研修では,ほとんどが事前・事後指導が行われている。しかし,研究授業と事前・事後研修を含め2時間のみで終わっている学校と5時間以上をかけて丁寧に指導している学校との実態には差がある。研究授業の主題を明確にした丁寧な指導ができているかどうかが研修のポイントであると考える。
(3) 研修の効果を上げるための条件には
《平成9年度指導教員ヘのアンケート調査から》まず対象敦員を育てるための校内の研修組織の協力とともに,同学年,同教科の教師のかかわりが研修の効果を上げるための条件として重要であると考える。
(4) どのような内容の指導が必要か
1. 悩みの内容と傾向から
《平成9年度アンケート調査結果より》
講師経験の有無にかかわらず,「個に応じた指導」や「興味・関心・意欲の高め方」等についての悩みが大きい。「個に応じた指導」や「基礎・基本の定着」等は,経験を積むことで悩みが大きくなり,逆に「興味・関心・意欲の高め方」「教科指導の基本技術」等は経験を積むことで小さくなっている。
講師経験のない者は,学級全体を思うように動かせないことへの悩みの傾向が強いのに対して,講師経験が有り授業の場を踏んでいる者は,年間を通し