研究紀要第116号 「学校の活性化を目指す教員研修に関する研究 第3年次」 -022/117page
(3) 道徳教育通信の効果的活用の見通し
学校においては,このような道徳教育通信の発行の意義を認めながらも,定期的に発行していくのには厳しい現状にある。
そこで,先に示した道徳教育通信の試案をもとにすれば,各学校の実態に応じて編集,発行が容易に行われると考える。
試案は,発行日,発行番号などを記入するだけで,すぐに印刷が可能である。また,フロッピーにも登録しているので加除,修正がしやすい。
発行者は,校長,教頭が自ら発行する場合と研修主任や道徳主任に適切な指導助言をしながら,発行を指示する場合が考えられる。その際に,本研究で作成した「道徳教育通信」の試案が活用できる。
発行に際しては,発行時期や発行日を工夫する必要がある。それによって,週指導計画を作成する場合に次の道徳授業の参考にしたり,道徳教育通信に書かれていることを話題にして教師間で話し合ったりする姿が期待できるであろう。
5 研究のまとめ
本研究によって明らかにされた教師がかかえている道徳教育に関する問題点は,校長や教頭が道徳教育に関してどのような指導助言を行っていけばよいか考える資料となるであろう。
また,作成した「道徳教育通信」の試案を実際に活用することによって,各学校の道徳教育に関する研修が日常的に行われることが期待できる。さらに,校内の道徳授業研究を合わせて行うことによって,道徳に関する研修が一層充実し,教師の道徳教育に対する意欲を高めることにつながると思われる。
今後は,実際に学校で「道徳教育通信」の試案を活用して研修を進めてもらい,その効果を分析し,「道徳教育通信」の内容をよりよいものに改善していきたい。
また,発行人,発行日,発行期間などによって,「道徳教育通信」の効果にどのような違いがあるか調べていきたい。