研究紀要第117号 「学力向上のための授業改善に関する調査・実践研修 第3年次」 -030/117page
国語・算数,中学校3年英語について以下の内容を中心に実践的に研究してきた。
小学校
国語「修飾・破修飾の理解と主述の理解」
実践例「大造じいさんとガン」
他小学校
算数「いろいろな図形の面積」
実践例四角形と三角形の面積
「割合のくらべ方と表し方」
実践例単位量あたりの大きさ中学校
英語「話すこと」
実践例 Mimi−Speech 活動
(2) 「授業改善を図る調査・実践研究( II )」
情意面・技能面・認知面の能力の育成を図るための授業改善には,様々な視点からの取り組みが必要であり教科の特性も考慮しなけれぱならない。
単に技能を習得しただけでは「学力」がついたことにはならないからである。そこに到達するまでの児童生徒の努力,気付き,意欲なども十分考慮した授業を考えていかなけれぱならない。その際,指導計画,教材,児童生徒や教師の意識,授業設計と評価などの面に配慮した授業改善が必要である。
小学校体育では,児童の体力の低下が叫ぱれる中,「フィットネス」を組み入れた体操の学習を通して,児童が自らの体力を知り,体力を向上させるための指導の在り方を紹介する。児童各自の体力に合わせたバイキング方式のサーキットを組むなど「自ら考える」活動を取り入れて,多くの児童が,楽しく主体的に体力の向上を目指す姿がみられた。
高等学校芸術(音楽 I )では,創作活動を取り入れることにより,鑑賞活動を活性化させるための指導の工夫について紹介する。即興的な表現活動やグループによる音楽づくりを通して,生徒が,音楽を形づくる様々な要素や音楽の構成に気付き,鑑賞への関心・意欲の喚起に結びついた。
3 まとめ
(1) 「授業改善を図る実践研究( I )」
昨年度提示された指導例をもとにして実践研究を行った結果,次頁からの報告にあるようにそれぞれの教科において弱点と考えられた領域について,指導の効果がみられた。
来年度は,今回実施していない中学校国語・数学についても実践研究に取り組み,指導法などについて工夫し,授業改善を図っていきたい。
(2) 「授業改善を図る調査・実践研究( II )」
学力は,情意面・技能面・認知面が相互に関連しながら向上するものである。これらのことを考慮して指導法を工夫したことにより,児童生徒が主体的に活動する授業に改善が図られてきた。
今後とも教科における学力の向上を目指し,様々な面から授業改善に取り組んでいきたい。
<参考文献>
1)福島県教育センター:「研究紀要Vol.27」 平成9年度 2)福島県教育センター:「福島県の児童生徒の学カの到達状況に関する研究−小学校5年・中学校2年の調査から−」 平成9年度