研究紀要第118号 「基礎学力向上のための授業改善に関する実践的研究」 -054/117page
もの(概念地図・イメージマップ等)
次に示すのは,中学校理科で行った調査1.・2.の内容の例である。
調査1. 「関心・意欲の程度」 5:とてもよくあてはまる
4:あてはまる
3:少しあてはまる
2:あまりあてはまらない
1:全くあてはまらない
1 「なぜ,どうして」と疑問をもつことがある。
2 「考えてみよう」と思うことがある。
3 「やってみよう,調べてみよう」と思うことがある。
4 疑問に感じたことは「解決したい」と思う。
5 私は,進んで考えていると思う。
6 私は,進んで調べたり,実験していると思う。
調査2. 「思考活動の程度」 5:とてもよくあてはまる
4:あてはまる
3:少しあてはまる
2:あまりあてはまらない
1:全くあてはまらない
1 学習課題は何かを把握している。
2 結果を予想している。
3 課題解決のための方法や手順を考えている。
4 工夫しながら課題解決に取り組んでいる。
5 結果を,今までの体験や学習内容などと関連付けながら,はじめの予想と比較し,検討しいている。
6 自分で考えて結論を導き,課題を解決している。
7 自分の考えをまとめたり,発表している。
8 新たな疑問に気付いている。調査1.では6項目について5段階の自己評価で,調査2.では8項目について5段階の自己評価で,それぞれ調べ,その結果を数量化した。さらに,各調査の評価の全項目の平均値をもって.それぞれ,児童生徒の,「関心・意欲の程度」「思考活勤の程度」を示すものとした。
調査3.は,各実践における,思考活動を活発にする観察・実験,実習についての評価を,児童生徒の評価によって捉えようとするもので,それぞれに評価項目を作って調べ,その結果を調査1.・2.と同様に数量化した。
調査4.は,学習した事象の,事実,相互,因果などの関係がどの程度理解できたかを調べるもので,各実践でテスト問題を作成して実施した。
これらの調査結果をもとに,対象児童生徒について,調査1.と調査2.との間の相関関係,調査2.と調査3.との間の相関関係,調査2.と調査4.との間の相関関係などを調べ,思考活動を活発にする観察・実験,実習の工夫・改善が,知識・理解,技能の獲得にどのような効果があるかを明らかにした。相関を見る場台は,相関係数γ(ガンマ)を求め,以下によって判断した。
0≦γ<0.2・・・・・ほとんど相関がない 0.2≦γ<0.4・・・・・やや相関がある 0.4≦γ<0.7・・・・・かなりの相関がある 0.7≦γく1・・・・・強い相関がある