研究紀要第119号 「情報ネットワークの教育活用に関する研究」 -079/117page
ネットワークを利用した教師を支援するデータベースの構築
画像転送システムの作成(図工・美術科)
長 期 研 究 員 森 山 敦
研究の要旨 学校教育の充実を図るため,県立の公立学校ではインターネット接続の計画が進められている。学校におけるネットワークの利用は授業資料の収集など授業改善に向けた様々な情報の交換に大いに役立つものと考えられ,その具体的で効果的な利用が求められてきている。 各種団体等が発信するホームページからの情報収集にとどまらず,学校の授業実践の紹介や教師の教育に関する意見の交換など学校や教師個人が情報を発信し,真のネットワークが構築できればさらに充実した授業の展開が図られるものと考える。 本研究は教育センターが拠点となり,教科に関する各学校の先生方からの情報を迅速に収集,データベース化し,発信するというものである。今年度はできるだけ操作が簡単で参加しやすく,利用価値のあるデータを受信・発信するシステムの開発を行うことを中心に研究に取り組んできた。 I 研究の意図
1 学校におけるネットワーク利用の必要性
学校において授業の指導方法や児童生徒の学習活動等の状況を見ると様々なすぱらしい教育実践が展開されている。それらの成果を情報としてまとめ,お互いに情報の交換を行い共有化を図っていくことは授業の改善を図る上で必要不可欠である。(これまでも研究資料や研究協議会等で互いの実践が紹介され,その中から様々な情報を入手し,授業の改善に役立てている。)
そうした中でインターネットが各学校に接続されれば次のような利点が考えられる。
(1) 情報入手の高速化
(2) 情報の共有化
(3) 情報交換の場の確保
研究の成果,教材,資料などがインターネットを通して情報を得ることができるようになればさらにそのスピードが短縮され,一層の情報伝達の効率化と授業改善への情報源としての役割が大いに期侍できる。
2 教科の特性から
図工・美術科は視覚的な表現活動を重視する教科であるので,教材や鑑賞作品,製作過程などを図や写真を用いて提示することが多いが,さらにそれをコンピュータ上で処理できるようにする場合(以下これをデータ化と呼ぶ)そのリアリティーさが重要となる。画像処理ソフトの進歩により生徒作品等をデータ化することは十分に可能となっており,ネットワークを利用して画像データを送信することができるようになっている。画像データのやりとりがインターネットで行えることは,教科の特性からみて大いに利用価値があると考える。
3 利用しやすいホームページ
学校で利用しやすいホームベージの条件として考えられることは次のようなことである。
(1) 教科の特性を考慮するなど利用者のニーズに合うデータがそろっていること
(2) 必要なデータが瞬時に表示,ダウンロードでき,自由に使用できること
(3) 大量のデータでも整理分類されていて検索しやすいこと
(4) 情報提供が一方的でなく双方向で行え,利用者の意見や情報提供が反映できる応用力があること
(5) コンピュータ操作が簡単で初心者でも気軽に