研究紀要第120号 「豊かな人間関係を育む指導援助に関する研究 第2年次」 -112/117page
に活動したい」「大切にしたい」などの思いも高まり,互いに受け止め支え合おうとする学級づくりが進んだと言える。
なお,事後調査の「よいと思う学級の雰囲気」(自由記述)を,「開放的」「支持的」「向上的」の3つの要素からみると,3学級ともに,開放的(「明るい」「楽しい」等),支持的(「仲良し」「認め合う」)な内容の増加が著しかったことから,互いを受け入れ合う児童生徒の育成が図られたことがわかる。
VI 研究の成果
○ 肯定的な感情交流が図られる活動を実施し,自己の内面と向き合うシェアリングの場を位置付けた指導援助が自己理解や他者理解を促進させ,自己肯定感の形成に有効であった。
○ 自己・他者を肯定的に見る目を養い,自己受容,他者受容を深める指導援助を行ったことが,他者とかかわりたいという思いを高め,豊かな人間関係づくりにつながっていくことが確認できた。
<引用文献>
注1) 伊藤 博訳「ロジャーズ全集8巻」1967年、7頁 (岩崎学術出版社) <参考文献>
注2) 「ライフ・スキルの構造」 ・教室ツーウェイ 1997.10 N0.160明治図書 ・子どもの自己概念と自尊感情に関する研究 平成元年度上越教育大学研究紀要 蘭 千壽 ・セルフエスティームの心理学 −自己価値の探究− 遠藤辰雄・井上祥冶・蘭千壽(ナカニシヤ出版) ・児童生徒相互の望ましい人間関係づくりに関する 調査研究(研究紀要第68号 平成4年3月) 宮崎県教育研修センター ・子どもの心理と教育 北尾 倫彦編(創元社) ・いじめから学ぶ −望ましい人間関係の育成− 江川 _成著(大日本図書) ・図解・生徒指導 嶋ア 政男著(学事出版) ・エンカウンターで学級が変わる1.2(小,中学校編) 國分 康孝監修(図書文化社) ・健康教室 1998.7月増刊(東山書房)