研究紀要第122号 「「生きる力」をはぐくむ教育課程に関する研究」 -009/076page
2 調査から明らかになった課題とその解決のための取り組み
(1) 実態調査から明らかになった課題
実態調査から明らかになった課題は以下の通りである。
「総合的な学習の時間」の理念を具現するための
1 校内研修に関する課題
2 教育課程を編成・実施する場合の課題 特に,時間割への位置付け
3 組織運営上の課題
(2)課題解決の取り組み
1 「総合的な学習の時間」についての校内研修に関する課題
○ 担当部や委員会だけでなく,学校全体としての組織的な校内研修を実施し,すべての教職員の共通理解を図る。
○ 「総合的な学習の時間」の理念や創設された背景を研修するとともに,自校で実施する場合の具体的な取り組みについて話し合う。
○ 学校の実態や課題,目指す子供像を明確にしながら,長期展望についても話し合いを深める。
○ 学習目標や内容を具体化しながら,学習活動イメージの共有化を図る。2 「総合的な学習の時間」を取り入れた教育課程を編成・実施する上での課題
○ 年間実施時教,学期・月別配当時教,週時程への位置付けなど,時間割編成の基本事項について教職員の共通理解を図りながら,具体的作業に取り組む。
○ 校内研修や協議会で目標や内容,学習活動の形態等を明確にする。
○ 子供の発達段階,興味・関心,学校の実態,地域の教育カ等を考慮して単元を構成し指導計画を作成する。
3年間あるいは6年間を見通したカリキュラムを設定しながら,年度ごとの単元設定や時間割への位置付けを明確にしていく。3 「総合的な学習の時間」を実施する場合の組織運営に関する課題
○ 校長・教頭等がリーダーシップを発揮し,教職員の理解と協カが得られるような取り組みを展開 する。
○ 推進組織を作り,指導計画の作成や実践する際の教職員相互の連絡調整を行う。
○ 開かれた学校経営に努め,地域の素材や人材を積極的に活用する。
○ 「総合的な学習の時間」の理念を教育課程の中に具現していく場合に配慮しなければならない取り組みを明らかにして対応する。3 具体的な展開の視点
「総合的な学習の時間」の理念をどう具現していくか,具体的に展開する際の小学校,中学校,高等学校に共通な視点及びそれぞれについての視点を明らかにするとともに,解決しなければならない事項について,以下のようにまとめた。
(1)「総合的な学習の時間」の具体的な展開の視点(校種共通)
○ 「生きるカ」の育成や学方向上につなげる。
○ 教科学習と相互補完関係にあることを踏まえる。
○ 「知の総合化」という側面を押さえる。
※ 学校行事的活動やイべント的な取り組みに終始ないようにする。(2)具体的に展開するときに解決しなければならない課題(校種共通)
○ 地域人材の活用計画の作成,事前打ち合わせの実施
○ 学習環境の整備,学校の施設設備の充実,校外習の場と施設の確保
○ 保護者・地域の理解と協カ
○ 予算的側面,渉外,など