研究紀要第124号 「基礎学力向上のための授業改善に関する実践的研究」 -033/076page

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IV 各教科での実践

実践1   
小学校理科

1 単元・対象

○ 光を当ててしらべよう
  まと当てゲームをしよう(時間)
○ 3年 3クラス 96名

2 教材のエ夫と活用

(1)工夫した教材と意図
 いろいろな方法で日光を集める活動において,日光の当て方による明るさや暖かさの違いを,児童の視覚や聴覚で簡単に認識できる教材をエ夫した。

a 光量レぺルインジケータ
 この教材は,日陰と日向,あるいは同じ日向でも太陽光のわずかな明るさの変化を光電池で感知し,光量をl0個の発光ダイオード(LED)の光や電子メロディーの音によって表すことができる装置である。
 これによって,薄曇りの日や室内にある光源を用いる実験など,光量がごく少ない条件の下でも,光の明るさの変化を明確にとらえることができる。
光量レぺルインジケータ
2つの可変抵抗を調整することによって,1個目のLEDの点灯するために必要な最小の光量と,2個目以降のLEDがl個ごとに点灯する光量の増加量が選択できる。またすべてのLEDが点灯すると,電子メロディーによって音学が流れる。

b フイルムケース温度上昇感知器
 この教材は,フィルムケース内の気体の温度変化を,ポリエチレン管内の色水の動きとして観察できるように工夫した装置である。
 これによって,ある程度離れた距離からでもアルコール温度計では読みとりにくい,1度から5度程度のわずかな温度変化を,色水の上昇として観察できる。
 また,色の違いによる暖まり方の違いについても,フィルムケースに巻き付ける色紙を替えることで容易に確かめることができる。

フイルムケース温度上昇感知器
ポリエチレン行内の色水の水位にストロ―の目盛りを合わせることでわずかな温度変化を数量化することができる。

(2)授業における活用

a 「まと当てゲーム」の的としての活用

 授業では,光を当てる学習を「まと当てゲーム」というゲーム化した活動として行った。
「まと当てゲーム」とは,下記のようなポイントラリー形式のスコアカードを使用し,あらかじめ設定しておいた的に光を当てると,ポイントが加算されていくゲームである。また,「どうすればできるかな?」「見つけたこと,思ったこと!」の欄に,文章や絵によって解決方法や考えたことを記述すると,そのたびにボーナス点がもらえるようにした。
 工夫した2つの教材は,「まと当てゲーム」の第2時の授業の中で活用した。

[まと当てゲーム(2)スコアカード]
[まと当てゲーム(2)スコアカード]


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