研究紀要第124号 「基礎学力向上のための授業改善に関する実践的研究」 -034/076page
b 光量レぺルインジケータを的にした活動
光量レべルインジケータを的にした活動により,児童は「ライトをたくさんつけよう」「メロディーを鳴らそう」という目的意識を持つことができ,そのためにはどうしたらよいのかという活動の見通しをそれぞれ立てていた
「まと当てゲーム」の第 1時の経験から,ほとんどの児童は2人で協カすればできるだろうという見通しを立てていた。また,「光の道筋をつくって当てればよいだろう」「大きい光を(大きい鏡で)当てればよいだろう」という見通しを立てた児童もいた。
この見通しを検証する活動では,多くの児童は,鏡を増やせばそれだけ的を明るくすることができるという見通しについての確証を得ることができた。また光の道筋を作ることの確証を得たり,鏡を大きくすることについての反証を得たりすることもできた。
c フィルムケース温度上昇感知器を的にした活動
多くの児童が,いろいろな色紙を巻いた的に対しても,紙の色にかかわりなく「どんな色の的でも,鏡をたくさん使えばあたたかくなるだろう」という見通しのもとに活動を開始した。
光を的に当てる活動では,黒色の的に対してはどのグループも見通しの通りの結果になった。しかし,白色の的や銀色の的に対しては,数人で協カしてもなかなか温度が上がらず,見通し通りの結果にならないグループが多く見られた。
これらの活動から児童は,鏡をたくさん使うと光が集められ,ものが暖かくなるという見通しについての確証を得たり色が違っても同じように暖まるだろうという見通しについての反証を得たりすることができた。
3 結果
(1)児重の活動の様子から
光量レべルインジケーターを的にした活動では,的に当たる光量をLEDの点灯によって数量化したため,どのようにしたらたくさん光が当てられるだろうと考え,複数の鏡を使って光を当てようと原理・方則を適用して方法を工夫しながら活動する様子が見られた。
フィルムケース温度上昇感知器を的にした活動では,わずかな温度の変化を色水の水位によって数量化したため,いろいろな色のフィルムケースの暖まり方の違いを容易に比較・分類することができた。
また,なかなか暖まらない色の的に対しては,複数の鏡を使って暖めようと,原理・法則を適用して活動する様子が見られた。(2)教材に対する児童の評価
(3)児童の感想
・ 鏡を使って光をまとに当てるゲームをして楽しかった。点数があるのでときどきするのでもっと楽しくなった。
・ 少しむずかしいところもあったけど,ライトつきのまとやフィルムケースのまとを使って楽しく考えられてとても楽しかったです。またこういう活動をやりたいです。
・ 先生の発明で光を当てて旨が出るとはすごいと思った。
・ 工夫しながらやるととても楽しかったです。
・ ライトつきのまとは,家のソーラーパネルと同じだ。
・ 光はただ鏡ではんしゃするだけでなく,いろいろなことに使えて楽しかった。
・ さいしょは―人でやってできなかったけど,友達とやったらできたら,どんどんやって楽しかった。