研究紀要第128号 「特色ある学校づくりを目指す教育課程に関する研究」 -013/074page
・情報を収集,調査,活用する ・表現する ○ 課題を追究,解決するための思考力 ・論理的に考える ・共感的に考える ○ 課題の追究,解決過程を振り返る力 <主体的,創造的に取り組む態度> ○ 自らの興味・関心,知的好奇心に基づき,課題追究や解決に意欲的に取り組む態度 ○ 社会や自然に積極的に働きかけ,関わろうとする態度 ○ 自他のよさに気付き,ともに学び合い,ともに高め合おうとする態度 ○ 自分の学びや自己を振り返り,自己の生き方を見つめ考え,学んだことを生活に生かそうとする態度 さらに子供の発達段階に応じて,活動の連続性や発展性を考慮し,培いたい力を明確にしていくことが大切である。
<3> カリキュラム作成・単元開発に関して
教育目標や各学年での育てたい子供像との関連を図り,学校や子供,地域の実態を把握し,内容や活動の連続性発展性を踏まえながらカリキュラムを考え,各学年の年間指導計画を作成する。
その内容は,学習指導要領に例示されているものや,地域や学校の特色に応じた課題性と子供の主体性を重視する面から設定していく。いずれにしても,子供の生活体験と密着した興味・関心のある内容,解決への意欲が高まる内容,学習の必要感に繋がる内容でありたい。
また,子供たちの学ぶ内容と同時に,学ぶ方法や活動についても押さえ作成していくようにしたい。
「総合的な学習の時間」のカリキュラムは各学校独自のものであるから,その作成に当たっては,教師は,これまでの教科等におけるカリキュラム作成以上に子供の興味・関心や地域を熟知し作成に当たることが大切である。
<4> 「総合的な学習の時間」における指導方法や指導体制に関して
ア 「総合的な学習の時間」における問題解決的な学習の展開と指導
「総合的な学習の時間」における問題解決的な学習の展開と指導は,次のような段階が考えられる。
課題発見・設定の段階
○ 興味・関心のある教材と出会ったり,交流などの関わりや体験をしたりして疑問や問題を意識し,課題を発見し,追究するに足る課題を設定する。
課題追究計画作成の段階
○ 課題追究方法や解決方法,結果のまとめ方,役割分担,準備等について,子供自らの力で追究できる計画を作成する。
課題追究の段階
○ 課題追究計画にしたがい,あるいは追究計画を修正しながら,課題を追究する。
課題追究結果の整理と発信の段階
○ 追究して分かったこと,解決したこと,感じたこと,考えたこと,新たな疑問や問題等について多様な表現活動により,その追究結果を整理し,考察し,まとめ,発信する。
課題追究過程の振り返りの段階
○ 自分の課題追究過程やその成果,新たな課題等,自分の学びについて評価をするなど振り返りをする。さらに自分の生き方を見つめ考え,学んだことを自分の生活に生かそうとする。
これらの学習の展開や指導に当たっては,カリキュラム作成や年間指導計画作成の段階から指導体制について考慮しておくことが望まれるし,実際の学習活動の事前,事後においても指導者相互の協議や連携が望まれる。
イ「総合的な学習の時間」における評価
「総合的な学習の時間」の評価は,学びの過程における,子供一人一人のよさや価値,成長を認めて行うことが大切である。
評価内容については,各学年の各単元,題材の指導目標や内容を踏まえ,その学習活動で身に付けるべき資質や能力,態度等の観点を明確に設定し,子供一人一人の学習状況を評価していくことが基本となる。その設定された評価の観点に基づきながら,