研究紀要第128号 「特色ある学校づくりを目指す教育課程に関する研究」 -016/074page
○ ヒントの一つに対してA4判一枚にまとめられているので,忙しい中でも短時間で読める。 ○ 通信が配布された時,道徳について自然と話題になった。 ○ ふだんの授業について振り返ることができた。 ○ 読んでいて涙の流れる資料もあり,自己の心のあり方を見直すことができた。 ○ 話し合いの工夫,役割演技など授業の改善に役立っものが数多くあった。 ○ 「やってみようかな」と思える内容,実践例があり参考になった。 ○ 主任が発行するだけでなく,実践やアンケート調査などを掲載していくとさらによい通信になるのではないか。 ○ 学年の早い時期に全部配布が完了すると必要に応じたものを活用できると思う。 研究協力校では活用の結果,教師間で道徳の授業等について話し合う機会が多くなり,通信に掲載されている資料や指導方法を活用して,道徳の授業改善に意欲的に取り組むことができた。各学校でも実態に即して,通信の効果的な活用が望まれる。
(3) 子供の心に響く資料の充実
<1> 副読本の検索システムの作成
近年,各社の道徳副読本が充実し,各学校では,児童生徒に一冊ずつ持たせて,それを資料として道徳の授業を実施しているのが一般的であろう。授業で使用する中心資料は,年間指導計画によって位置付けられ,教師は,安易に替えることなく授業を行うことになる。資料は授業の命ともいうべき,重要なものである。
したがって,年間指導計画や展開の大要の作成時には,使用する資料をよく吟味する必要がある。その際,一社の副読本の資料にこだわらず,各社の副読本を比較検討してみたい。そこで,各社の副読本の資料名,価値の内容,特徴等のデータをコンピュータに入れ,検索が容易にできるようにした。
例えば,第3学年の2−(2)いわゆる「思いやり」の指導をする際の資料を検索すると,各社の資料名が出され,資料を決め易くなる。また,資料を授業に活用しての反省等をデータに入れておくことによって,年間指導計画の改善に役立てることができる。
<2> VTR,絵本等の活用
各社から出されている最近の副読本には,物語,絵本,童話,詩集,マンガ等から取り入れられている。それらの資料を使う場合,原典に触れ,資料分析を行うと一層子どもの心に響く授業の展開が望める。先に示した副読本の一覧表に出典名を明記しておくとよい。
また,読み物資料とVTR等の映像資料を組み合わせるのも効果的である。NHKの教育テレビの道徳番組や人間の生き方をテーマとしたドキュメンタリー番組は,計画的に録画しておき,授業に活用できる体制づくりが必要である。
(4) 「心のノート」を使った評価
<1> 「心のノート」の作成
子供の道徳性の評価については,学校生活における教師と児童生徒の触れ合いを通して,児童生徒の道徳性を共感的に理解して実施しなければならない。その方法については,「観察による方法」「面接による方法」「質問紙による方法」「作文や日記,ノート,ワークシートによる方法」等があり,多面的,長期的な評価が重視されている。
その中で,道徳ノートを使った評価について研究