研究紀要第133号「開かれた学校づくりの推進」- 007/069page
(3) 学校評価の視点と具体的診断項目
【学校評価票1】
学校評価の設問は,学校ができること,なすべきこと,伝えたいこと,理解してもらたいこと等,学校の思いが伝わるものであるべきと考える。したがって,質問の前に十分に説明がなされるとともに,設問は,質問の形をとった評価者へのアピールであり,学校の方針が反映されなくてはならない。そのような考えのもとに,教職員用(質問数30),児童生徒用(質問数20),保護者用(質問数20)を小・中・高等学校の種別に分けて計9種類作成した。
本票作成にあたっては,先行研究である大阪府の学校診断票を参考にした。
本票は,教職員にとって自らの自己点検・診断であるとともに児童生徒や家庭,地域の願いや思いを把握するための学校評価である。さらに,本票によって学校の現状を正しく認識するためのものである。正しい現状認識により,
○ 維持・継続すべきよさは何か。
○ 解決・改善すべき問題・課題は何か。
を明らかにすることをねらいとしている。そのためには,あくまでも総合的,網羅的な内容になるのは仕方がないが,新たな形式化・形骸化を生まないためにも質問項目数を最小限にするとともに,自由記述の欄を設けた。
さらに,各学校の「よさ」も「問題・課題」も多岐にわたっていることから,この評価票1をもとに学校の実状に沿ったものに自由に作り替えるためのサンプルと位置付けた。
【学校評価票1(中学校用)の一部】
中学校・生徒用このアンケートは,みなさんの学校生活をよりよいものにするため,学校改善の資料にするものです。
A〜Dの最もあてはまるものを○で囲んでください。どうしてもわからない質問は,○で囲まなくてかまいません。
この結果は,後日,整理して生徒のみなさんにお知らせします。
* A :あてはまる B :ややあてはまる C :あまりあてはまらない D :あてはまらない 1 学校へ行くのが楽しい。
2 学校は教育目標や方針を生徒にわかりやすく伝えている。
3 本校には,受け継がれてきた伝統や校風がある。
4 先生方は生徒の意見をよく聞いてくれる。
5 知識を豊かにするために読書に親しむ時間が設けられている。
6 授業はわかりやすく充実している。
(中略)
17 授業やその他の活動を通して地域の人々,他校の生徒とかかわる機会がある。