研究紀要第133号「開かれた学校づくりの推進」- 010/069page

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「問題・課題」の解決の場合
A
目指す姿(目標)を達成した状況
B
十分ではないが,目指す姿(目標)に近づいたことが見られる状況
C
その問題の解決を必要とする現在の状況
D
現在の状況より問題が大きくなった状況
「よさ」の維持発展の場合
A
目指す姿(目標)を達成した状況
B
十分ではないが,目指す姿(目標)に近づいたことが見られる状況
C
「よさ」が見られる現在の状況
D
現在より「よさ」が小さくなった状況

5 学校評価システム案の試行とその結果

(1) 試行期間
 平成14年9月〜11月の3ヶ月間

(2) 試行実施校
 研究協力校・研究協力員所属校 15校

(3) 試行結果(各学校からの報告事項)

 【学校評価全般について】

@ 「試行の結果,職員(管理職を除く)の学校評価に対する意識の変容はどうであったか。」

 意識が高まった  2校
 学校全体で行うことにより,学校を外に開くことに抵抗がなくなり,自分の授業を生徒に評価させる姿勢も見られるようになった。
 高まりつつある  11校
 教職員による評価を生徒・保護者にまで広げたことから学校評価に対する意識が高まった。
 学校評価の結果を真摯に受け止め児童理解をより深める姿が見られた。
 学校評価を評価されるだけととらえていた教職員がいたが相互に協力し,よくするための評価であることを知り安心して評価できた。
 結果及び改善策を公表したことで,以前よりも職務に対する自覚が表われ,学校評価について関心が高まってきた。
 外部からの評価を受ける機会がほとんどなかったことから,評価結果に教職員が強く関心を持った。
 説明責任の大切さを自覚するようになってきた。
 以前と変わらない  2校
 個人的に高まった教師もいたが,全体としてみれば劇的な変化はない。
 低下した  0校

A 「研究協力校長,研究協力員の学校評価に関する意識の変容はどうであったか。」

 意識が高まった  10校
 保護者の考えを以前より明確に把握することができ,それに応えるべき責任感が一層強まり,開かれた学校づくりにきわめて有効であり,不可欠のものと感じた。
 社会の要請に応える学校としての学校評価の必要性を教職員に意識づけたい気持ちが強くなると同時に学校評価=教育課程の実践であるという気持ちが強くなった。
 実際に評価し,資料を分析し,その改善策を考え,経営に反映することができ,活用法などを研究することができた。
 今まで学期末に,自己反省,自己評価を実施しているが,具体性に欠けるものであった。
 学校評価を実施してみて,やはり大切な学校経営への改善への一つの手段であるという認識を持った。また,学校の教育活動に対する外部の評価は重要であるという思いを強くした。
 結果の公表を前提とする以上,問題点への早期対応,明確な方針決定が求められ,否応なしに意識が高まった。
 外部評価の必要性,有効性を強く感じるようになってきた。PDCAサイクルを努めて短くすることを意識するようになった。
 学校評価を外に開くことにより,常日頃の教育活動に対する姿勢が一段と厳しくなり,意識が高まってきている。
 高まりつつある  4校
 教育課題や保護者の願いに適切に対応して教育活動が展開されなければならないと感じた。
 日頃の教育活動に対する評価として真摯に受け止めなければならないことが明らかになった。
 以前と変わらない  1校
 教職員のみの試行であり,しかも回収率も低く十分にねらいを達成することができなかった。
 低下した  0校

B 「今回の試行に当たって配慮したこと」

 教職員の抵抗感をなくすように,資料の提示,共通理解に努めた。調査結果で意欲を失わないように保護者や教職員への結果提示に配慮した。
 特に児童と保護者に対しては,学校をよくするための方法であるということを強調し,できるだけ正確に記入していただけるよう配慮した。
 保護者や生徒が考えやすい設問の表現を工夫した。
 同じ時期に常勤以上の教職員すべてに自分の考えを述べてもらうよう心がけた。全員で学校評価について考えてもらうということを心がけた。
 管理職も評価されることを真摯に受け止め(その結果を素直に受け止め)さらに自分が向上しようとする姿勢を教職員に示すこと。さらに,生徒たちの幸せを大切に,学校評価に基づく「学校づくり」の重要性を力説した。

 【学校評価票1】について

C 「試行してどう感じたか。」

 やってよかった  8校
 生徒,保護者,地域の人たちがどのように学校を見て考え,感じているかが分かり,かえって安堵でき方向性が見えてきた。
 保護者一人一人の意見を大切に,順序立てて努力することにより,保護者と学校との信頼関係がより強まり,連携が強化されると感じた。
 学期末の教師の反省実施後であったが,保護者・生徒から教師の気付かない点の指摘が受けられたこと,課題を数値化してとらえられたことがよかった。
 [C][D]をつけた児童がいたため,理由を詳しく聞くことにより,その児童の思いや願いなどについて知り,子どもの心に寄り添う指導ができた。
 児童,保護者,教職員の同じ項目に対する横の評価結果がとても参考になった。(三者でほぼ評価が合致していた。〉教職員の教育活動に対する努力不足の内容が分かった。
 まあまあよかった  5校
 やってよかったとは思うが項目数が多すぎて,処理の面でも公表の面でも苦労した。問題点も焦点化しにくい。

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