研究紀要第135号生きる力を育てる教育の情報化- 034/069page
2 研究の方針
「福島県の情報教育の実態等に関する調査」の結果から,校種を問わず「総合的な学習の時間でのコンピュータやインターネットの活用事例」「教科におけるコンピュータ,インターネット活用事例」に対する二ーズが高く,高等学校では新教科「情報」を実施するための情報が必要とされていることが明らかになった。
そこで,本研究では主体的に学び考え表現できる児童生徒を育むための地域教材・指導資料・教材レシピを教育用コンテンツととらえ,ITを効果的に活用したわかりやすい授業の実現に資する教育用コンテンツとその活用に取り組んだ。3 研究内容
(1) 地域コンテンツの開発
(2) 教材レシピの開発
(3) 新教科「情報」に関する実態調査4 研究計画
4月研究主題・研究計画の検討,福島県の情報教育の実態等に関する調査,福島県学術教育振興財団への研究助成申請 5月研究主題・研究計画の立案 6月地域素材収集 7月地域素材収集 8月地域素材収集 9月教材レシピの検討,新教科「情報」に関する調査 10月岡山県から助言者を招いて研究協力員との研究会 11月授業実践 12月授業実践 1月授業実践 2月研究成果発表 3月研究のまとめ
U 研究の実践
1 地域コンテンツの開発
教育用コンテンツ開発における関係機関との連携と成果物について
(1) 目的
「福島県の情報教育の実態等に関する調査」の自由記述では,「総合的な学習の時間でのコンピュータやインターネットの活用事例」と「教科におけるコンピュータ・インターネットの活用事例」への二ーズが小学校・中学校・高等学校ともに高く,次いで小学校では「地域資料」,中学校では「評価基準」,高等学校では教科「情報」に対する二ーズがそれぞれ高かった。その反面,ふくしま教育情報データベースに蓄積されている教育用コンテンツは教育広報誌,指導資料,研究集録など,教師向けの資料が中心であり,児童生徒を対象とするコンテンツが不足しているのが現状である。
そこで,調べ学習や授業等で利用できる地域素材の整備という学校からの期待に応えるため,県や市町村および博物館等の関係機関に資料提供を依頼し,写真や記録映画,市町村紹介ビデオなど本県独自の地域素材を収集した。さらに,地域素材を画像や動画等のディジタル素材に加工するとともにネットワークで利用しやすい形式に編集し,地域コンテンツとして「ふくしま教育惜報データベース」に蓄積し,随時公開することとした。
(2) 地域素材の対象と収集
地域素材は,福島県を題材とする幅広い学習に利用される教材であることから,福島県全域から網羅的に素材を集める必要があった。そこで,短期間にできるだけ多くの資料を収集するため,すでに各市町村,教育関係機関および教育関係者などが保有している広報用写真・ビデオや記録資料等を対象に,県教育庁生涯学習課を通して文書で資料提供の協力を依頼するとともに,各所を訪問することで資料の