研究紀要第135号生きる力を育てる教育の情報化-043/069page

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H 授業実践(中学校・3年・理科)

ア 実施年月日 実施校・授業者
 平成14年11月18日(月)
    小野町立浮金中学校 金子 伸之 教諭

イ 単元名
 地球の運動と天体の動き

ウ 授業の概要
 Webコンテンツ「teiten2000」により,同一地点での季節による昼夜の長さや,異なる地点での日の出,日の入りの違いを確認し,課題意識を高めた。次に実験による測定や他のWebコンテンツによるシミュレーションを通して,季節による昼夜の長さ・太陽高度の変化と,地球の公転・地軸の傾きとを関連づけてとらえさせた。

エ 単元の目標
 地球儀を使用してのモデルによる測定やWebコンテンツによるシミュレーションを通して,昼夜の長さが季節によって変化する理由を理解することが出来る。

オ 情報教育の目標
・集めた情報の共通点や相違点から課題を見つける。
・集めた情報を分析し,傾向や規則性を見つける。

力 活用コンテンツ
・teiten2000  http://www.teiten2000.org/
・佐賀県教育センター  http://www.saga-ed.go.jp/
・NHK  http://www.nhk.or.jp/
・大阪市立大学  http://www.osaka-cu.ac.jp/
・CEC教育用画像素材集  http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

teiten2000で日の出時刻の変化を確認している様子
teiten2000で日の出時刻の変化を確認している様子

キ 実践のポイント
 宇宙空間から見た地球の運動と,地球上から見た自然現象を相互に関連づけて理解させることが重要であると考え,コンテンツがどちらを取り扱っているのか,生徒に常に意識させるよう留意した。また十分な活動の時間を確保するため,2時間扱いとした。

本時のまとめ
本時のまとめ

ク 授業者のコメントとアンケート結果より
 授業者より,「生徒は授業に興味を持って取り組んでいた。内容もよく理解したと思う」「教育用コンテンツを活用した授業は,生徒の自ら学ぼうとする意欲を引き出す効果がある」とのコメントをいただいた。
 生徒のアンケートの結果では,12名全員が,本時の授業を「分かりやすい」あるいは「だいたい分かりやすい」と回答した。また内容を理解できたかとの質問にも,11名が「理解できた」あるいは「まあまあ理解できた」と答えている。教科書や板書事項だけでは説明することが難しい,3次元空間でのそれぞれの天体の動きを,コンテンツを活用した授業によってスムーズに生徒にとらえさせることができたといえる。

ケ まとめ
コンテンツの活用は有効であることが確認されたが,いくつかの課題も明らかになった。まず導入で生徒の興味関心を高めようとteiten2000を利用したが,膨大なデータのため,かえって生徒の関心が分散される場面が見られた。過度の情報提供にならないよう,コンテンツ選定の厳選を図る必要がある。
また今後は,授業で学んだ内容を自分なりに整理し,情報機器を用いてレポートにまとめるなどの活動を通して,理解をより一層深めるための手だて等についても研究する必要がある。


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