研究紀要第135号生きる力を育てる教育の情報化-044/069page
I 授業実践(中学校・高等学校・全・英語)
ア 実施年月日 実施校・授業者
平成14年11月7日(木)
郡山萌世高等学校 久保木政行 教諭イ 科目及び単元名
オーラル・コミュニケーションA
「ENGLISH STREET ORAL COMMUNICATION A」ウ 授業の概要
第5,6課の復習として,Webコンテンツ「Randall's ESL Cyber Listening Lab」の数字と日付けに関する演習用音声を視聴し,基本的な英語の音声を正しく聴き取る練習をさせる。エ 単元の目標
第5,6課で学んだ時刻・曜日・年号の読み方を確認しながら,それらを音声として正しく聴き取ることができる。オ 情報教育の目標
・自ら課題を見つけ,見通しを持って活動することができる。
・自分の学習活動を振り返りながら,実施・評価ができる。力 活用コンテンツ
・「Randall's ESL Cyber Listening Lab」キ 実践のポイント
レベルに応じて課題がプログラムされている点を有効に活かして,進度に応じた学習の個別化を図る。進度の遅い生徒は1つの課題を理解できるまで取り組ませ,進度の速い生徒は順次発展レベルの課題に取り組ませる配慮をする。ク 授業者のコメントとアンケート結果より
授業者からは,「学習者の個別化を図る試みは,多くの生徒に好評であった」「繰り返し聴くことがより容易になったことで,努力の継続化が図られた」「理解できた表現を使おうという意欲が向上した」などのコメントをいただいた。
生徒へのアンケート結果では,96%の生徒が,本時の授業を「興味・関心が持てた」,あるいは「だいたい持てた」と回答した。また,「授業内容を理解できたか」との質問にも,92%の生徒が「理解できた」,あるいは「だいたい理解できた」と答えている。さらに,96%の生徒が今後もWebコンテンツを活用したコンピュータによる授業を行ってほしいと望んでいる。優れたWebコンテンツを活用することで,本課の復習をしながら,音声を正しく聴き取る演習ができたと言える。ケ まとめ
Webコンテンツの活用は有効であることが確認されたが,一方で課題も明らかになった。まず,指導者は活用するWebコンテンツを熟知し,生徒がコンピュータ操作を始める前に,基本操作の指導やコンテンツの大まかな内容を伝える必要がある。また,生徒それぞれのコンピュータ操作技術に差があり,指導者が1人で対応することが困難な場面があった。生徒一人ひとりのコンピュータ・リテラシーをより一層向上させる必要があろう。
最後に,Webコンテンツを活用した授業は,生徒にとって興味・関心を惹くものではあるが,その場限りの授業になりがちである。コンピュータを活用して学んだことを,その後の授業等にどのように発展・応用させるか十分検討する必要がある。