研究紀要第135号生きる力を育てる教育の情報化-045/069page

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J 授業実践(高等学校・3年・商業)

ア 実施年月日 実施校・授業者
 平成14年11月26日(火)
    福島商業高等学校 松浦 冬樹 教諭

イ 単元名
 コンピュータの発展と高度情報化社会〜コンピュータセキュリティ〜

コンピュータの発展と高度情報化社会ウ 授業の概要
 架空の小売商に勤務している生徒が,売上げ増を図るために「全国うまいもの市」を企画立案するという設定である。そのためにインターネットを通して全国の銘菓銘酒その他を検索し,企画を内部会議で提案するために,班毎に企画提案するプレゼンテーションを作成して発表する。

エ 単元の目標
 イベントとして「全国うまいもの市」を企画して,小売商内部会議で提案するために,理解しやすいプレゼンテーションを作成し,発表するとともに,評価をし合う。

オ 情報教育の目標
・「コンピュータセキュリティ」「情報モラル」についての意識を養う。
・著作権を理解して情報を収集する。
・情報モラルを理解し,適切に行動できる。
・課題解決に必要な情報かどうか適切に判断できる。

カ 活用コンテンツ
・サイバーネチケットコミック
  http://www.disney.co.jp/cybernetiquette/
・コピーライトワールド
  http://www.kidscric.com/

キ 実践のポイント
 「難しいことをやさしく,やさしいことを深く,深いことを豊かに」に配慮して授業を行った。
・「コンピュータセキュリティ」や「情報モラル」については,視覚的な教材によって「難しいことをやさしく」
・ネットワークセキュリティや情報の信愚性を体験的に学ぶことで「やさしいことを深く」
・調べたい事柄を適切な用語によって,深みのある情報検索が出来るように「深いことを豊かに」

ク 授業者のコメントとアンケート調査より
 授業者より,「使用したサイトは,非常に理解しやすいものだったので,情報化社会の影を正しく理解したと思う」「検索技能が上達し,必要な情報から多面的に深く考える生徒が出てきたと思う」というコメントをいただいた。
 36人の生徒のアンケートの結果によると,83.3%の生徒が,本時の授業を「わかりやすかった」(14)「まあまあわかりやすかった」(16)と回答し,86.1%の生徒が本時の授業を「おもしろかった」(17)「ややおもしろかった」(14)と回答していた。
コンピュータの発展と高度情報化社会 Webコンテンツの教材に対する評価も,88.9%の生徒が「わかりやすかった」(19)「まあまあわかりやすかった」(13)と回答していた。

ケ まとめ
 Webコンテンツを活用した授業については,94.4%(34)の生徒が意欲的に取り組めたと回答していたが,「内容を深く理解できたか」という問いに対しては,「あまり理解できなかった」と回答した生徒が6人(16.7%)いた。また,「もっと勉強してみたいという意欲がわきましたか」という問いに対して「あまり変わらない」「変わらない」と回答した生徒が9人(25%)いた。
 このことから,「関心・意欲」の向上には大変有効であるが,「知識・理解」の定着につながっていないということが課題として残った。
 今後は主体的に学ばせるためのさらなる研究に対する工夫が必要である。


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