研究紀要第135号生きる力を育てる教育の情報化-047/069page
C 整備が必要なソフトウェア
整備が必要なソフトはマルチメディア関連が最も多かった。この分野のソフトや機材を一度に整備することは費用の面から難しいので,次のような対策が考えられる。
ア 一部のコンピュータに導入し,グループ単位で使用できるよう授業を工夫する。
イ フリーソフトやOSなどに付属のソフトを用いる。
教科「情報」はコンピュータの操作方法だけを教えるものではないので,指導目標に沿った使用可能なソフトウェアを用いる必要がある。
D 教科「情報」新設の理解
このデータは授業担当予定者の主観によるものなので客観的なデータではないが,教科「情報」新設に対する学校全体の理解は,全体的に不十分だと思われる。教科「情報」で培う力は,新学習指導要領の基本的なねらいである「生きる力」に密接につながっており,各教科においてもコンピュータ等の情報機器を活用すれば,指導方法にも工夫改善が図られ,新しい指導観が芽生えることになると思われる。
悉皆研修や校内研修などあらゆる機会を通して,体験を伴った研修を重ねることが必要である。
E 授業を行う上での不安
授業担当予定者の一番大きな不安は,主免許教科との掛け持ちになる忙しさやコンピュータ管理などの負担増加である。この点については,各学校で十分配慮する必要がある。次に多いのは,実習時の生徒数が多く40人を一人で対応できるかという不安である。この点については,リテラシーの高い生徒を核にしたグループ学習で対応するなどの工夫が考えられる。また,教科内容の理解・評価・授業の構築などは,教科「情報」のための新たな研修を設置し,指導力向上を図る必要がある。
F 研修を深めたい分野
「情報活用の基礎」「教科教育法」「情報化と社会」などの教科の内容に関する分野が上位に見られる。技術的な部分では,各学校では実験することが難しい「ネットワーク」,ソフトの整備が不十分な「マルチメディア」関連の研修を多く望んでいる。
つまり,授業担当者に対する研修には,教科教育法などの指導方法に関する内容に加え,ネットワークやマルチメディアなどの技術的な内容も取り入れる必要がある。