長期研究員の研究 研究紀要第145号Webを活用した地域学習の実践的研究-069/069page
調べたい事柄や分野別の情報を提供しており,自然,交通網,暮らし等の資料にリンクしている。
3 知ってるかな?
福島県に関するQ&Aのコーナーである。
現在利用できる空撮写真は,オリジナルが約2.6km四方の1辺を約10,000ピクセルで表示する超高解像度画像だったため,ブラウザで表示可能な2MB以下まで落として共有化を図った。なお,この資料はFKS参加校以外では閲覧できない仕様となっている。
4 掲示板
インタラクティブ(双方向的)に情報交換ができる場として掲示板を設置する予定である。
5 実践授業
小学校4年生社会科「わたしたちの県」の単元導入で,このWebを活用した実践について述べる。
授業では,海辺,山地,平地の3枚の謎の空撮写真を提示して,場所を特定する学習活動に取り組ませた。児童は,写真に写っている海,湖,道路,鉄道等をヒントにして,本Webの資料,検索エンジン,各種地図等を利用して調べ学習に取り組み,2枚の写真の場所を特定することができた。残りの1枚は特定できず,次時以降の課題となったが,課題解決意欲を持続させる意味で効果があったと思われる。
以下は研究協力者の感想である。
● 研究授業の実際
(1) 子ども達は,クイズ感覚で楽しく学習していたように思う。ただ,情報が多すぎて情報を絞り込むことができずに終わってしまったグループもあった。
(2) 授業に役立つWebは,インターネット上に見つかるようになってきた。しかし,地域学習のWebはほとんどない。地域学習のWebは地域の教師が作っていかなければならない。このWebは貴重な資料である
(3) コンテンツの共有化で重要なのは,そのコンテンツを利用する教師から質問が出ないことである。他人が利用するという前提でコンテンツを作らなければならないと考える。よって,そこに行けばそのまま授業ができるように,指導案,ワークシー卜,写真などがそろっているとありがたい。
(研究協力者)福島市立福島第四小学校 冨田元久教諭
V 研究のまとめ
1 研究成果
(1)単元導入における意欲・興味付けという意味では効果的であった。
(2) Webを開設することで,地域学習情報を共有する場ができた。
(3) 動的なWeb教材にすることで,読みとり難い情報をわかりやすくとらえさせることができた。2 今後の課題
(1) インタラクティブなWebにすることで,学校の二ーズに応えられるサイトを目指したい。
(2) 指導案,ワークシート等も掲載していきたい。
また,各市町村のデジタル画像を個人で収集するには限界があるため,撮影と資料提供の協力を広く求めていきたい。趣旨に賛同し協力していただける方は御連絡を下さい。(hidebaba@abu.ne.jp)