福島県教育センター所報 第2号(S46/1971.8) -011/023page
およい) (1)大節の数、昆虫の特徴である頭胸腹の3区分 (2)斑紋の形と位置(第2,5.8節) (3)気門ととその数 (4)触角と単眼 (5)口器と桑の食べ方 (6)背脈管と脈はく数(温度との関係など) (7)性別(♂は第11,12体節の境界にヘロルド腺1点、♀は第11,12節2点づつ計4点の石渡腺)
・ 内部観察 エーテルで麻酔するか、60 。 Cの湯につけて殺し、しばらくせて体がじゅうぶんに伸びたものを用いる。解剖皿に
にして頭部を針で止め腹部を伸ばして尾肢を針で止め、肛門より皮膚をすくい上げながら頭部の基部まで切り、皮膚を左右にひろげ針で止め、生理的食塩水をそそぎ観察する。(1)消化管(前中後腸、だ腺など)の構造(2)マルピーギ管と排出の機構、ビタミンB 2 の黄色結晶 (3)気管(気管主管と横走気管、毛細気管)消化管を取り除いて、(4)絹糸腺{吐糸管、フィリップ腺、中部糸腺(前区、中区、後区)後部糸腺}絹糸腺細胞の大きさと核の観察 (5)神経系{はしご状神経系神終節(頭部2ケ腹部3ケ腹部8ケ計13ケ)と神経繊維(第5神経節まで2本別々だが、それ以下は一本に見える} (6)脂肪体白色の柔らかい豆腐のおからのような組織栄養素の貯蔵器官であると同時にわれわれの肝臓のはたらきをしている。
背面
にして解剖すると、上記の(1)(2)(3)(4)の他に(5)循環器(開放血管素)背面中心線に背脈管(管状心臓)が搏動し、(6)生殖器官、第8節の背面に♂の精巣は豆形♀の卵巣は三角形、3令以後の幼虫の精巣では減数分裂が行われているので精原細胞、精母細胞、精子などいろいろな時期のものをみられ、2n=56、からn=28まで観察できる。
腹面
II 恒常性の実験
・ねらい、われわれの血糖ブドウ糖は、交感神経、副腎髄質ホルモン、迷走神経、すい臓ホルモンなどで恒に一定に保たれ過剰な分は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯えられている。カイコにもこれと類似の現象がある。血糖はブドウ糖2ケよりなるトレハロースで正常量は0.4%程度で余分な分は脂肪体内にグリコーゲンの形で貯えられる。この両者の相関関係などを調べる。
・準備 5令2〜3日の幼虫、正常5匹、絶食12時間
・方法 24時間、48時間後給餌したもの各10匹
・器具 遠心分離機、遠沈管、ビーカー、試験管および同立て、ピペット
・薬品 0.01%ブドウ糖液、80%フェノール、濃硫酸、蒸留水、0.6N過塩素酸溶液、30%水酸化カリウム溶液、無水アルコール、飽和塩化カリウム溶液