福島県教育センター所報 第2号(S46/1971.8) -012/023page
△血糖値の測定
採血(酸化を防ぐため試験管を氷中に立て1ml.各資料毎)
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血液0.5mlに0.6N過塩素酸4.5mlを加える(血液を10倍に薄めると同時に除タンパクをする)
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遠心分離3000γpm5〜10分
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上澄みを2本の試験管に0.1ml、0.2mlとる
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水を加えて2mlとして80%フェノール0.5ml加える
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濃硫酸5ml加えて発色させる
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標準液と比色
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換算ににより血糖量を出す
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グラフに記入する
△脂肪組織中のグリコーゲンの定量
脂肪組織200mgを数匹のカイコから集める
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ビーカーにとり30%水酸化カリウム2ml加える
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組織が溶けるまで水溶中で加熱する(5〜10分)
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無水のアルコールを2ml加えると白色のグリコーゲンが沈殿する
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遠心分離3000γpm5〜10分
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上澄みを捨て沈殿に水1ml飽和塩化カリウム1〜2滴加える
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水溶中で加熱
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遠心分離3000γpm5〜10分
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上澄みを捨て沈殿に5倍容の水を加え加熱する
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沈殿がとけたら2本の試験管に0.1ml 0.2mlとる
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以下血糖量の場合と同じ△データーのとり方そのグラフ化
III 核酸の実験(DNA、RNAの抽出)
・ねらい 教科書のいろいろな場面に出てくる核酸をタンパク質合成の盛んな後部絹糸腺より実際に抽出、直接生徒の目に触れさせる。
・準備 班毎に5令の幼虫の後部絹糸腺5g
・方法
・器具 遠心分離機と遠沈管、マグネチックスターラービーカー、ガラス棒
・薬品 100%エチルアルコール、10%塩化ナトリウム0.01Mクエン酸ナトリウムを含む0.8%塩化ナトリウム液、5%ドデシル硫酸ナトリウムを含む45%エチルアルコール
おわりに
カイコはこの他数多くの酵素の実験、呼吸血液と可能範囲が広い。それに本県はわが国3位の養蚕県でもあるので、大いに活用できる実験動物である。なお、この実験に当たり農林省蚕糸試験所東北支場(福島市飯坂)の皆様のご協力を深謝いたします。
参考文献 カイコの新生物学 三省堂
蚕体解剖学講義 田中義麿 その他