福島県教育センター所報 第2号(S46/1971.8) -013/023page
小学教材磁力の強さや方向を調べる
第2研修部 佐 藤 亘
小学校の磁気教材では、磁石の性質とかはたらきの理解だけ出なく、磁力の広がりや方向といった見方まで深める必要がある。そこで、磁界の観察についての一例をあげて参考に供したいと思う。
1.永久磁石による磁界の観察
磁石のまわりにはたらく磁力の強さや方向は、鉄粉や磁針を用いて観察することができる。
磁石の上にガラス板か下敷きなどをのせ、その上に目の細かいふるいなどで鉄粉を平均にふりまく。そして、ガラス板を軽くたたくと、鉄粉は曲線を描いて並ぶ。この曲線が磁力線の方向と広がりを示すことになる。
観察させ、磁力は立体的に広がっていることを認識させることである。
図ー1は、2本の棒磁石の同極が並ぶように置いた例で、図ー2は、2つのU字形磁石を立てて並べ、上から見た場合である。なお、この方法は、透明なガラス板などを用いれば、O・H・Pで投影することもできる。
磁針を用いる場合には、できるだけ小形のものを用意する。図ー3は、市販の方位磁針(針長2cm)を用いた例で、その磁針の傾きに合わせて順次並べて作ったものである。こうすると、閉じた曲線を示すこと、磁針の振れ方(極の向き)に規則性があることなどがつかめる。
つぎの図ー4,5は、磁界説明器としてU社からだされている磁針を利用して実験したものである。