福島県教育センター所報 第3号(S46/1971.10) -010/025page
件に合うようになおす必要がある。C区の場合完全に日光をさえぎると黄変して死減するので,北側だけ開けておく。
小・中・高共通教材
アイロンかけに関する実験
第2研修部 菅野 栄子
1.はじめに
家庭科で,アイロンかけをはじめて学習するのは小学6年である。その後,中・高でも被服関係の学習では,欠くことのできない教材である。したがって,教師は,学習に使用するアイロンの構造や取り扱いはもちろんのこと,底面の温度分布や表示温度などについても,じゅうぶん理解した上で,指導にあたりたい。今回は,アイロンの底面温度の測定実験について紹介する。
2.目的
被服にアイロンをかけたら,布地が縮んだとか,黄ばんだとかいう失敗がよくある。それはアイロンの温度が適当でなかったからである。自動温度調節器つきアイロンには,ふつう,低・人絹・絹・毛・綿・麻・高などの表示があり,サーモスタット( thermostat )によって,それぞれの繊維に適した温度に自動的に調節できるようになっている。しかし同じ表示でもアイロンのメーカーによって温度範囲に差があり,また底面の部位によっても差があるから,この実験では,まずアイロンの温度を確かめ,つぎに各試料にアイロンをかけてみて,その結果を被服にアイロンをかける際の参考にする。
3.用具,試料
自動温度調節器つきアイロン。アイロン温度測定器(熱電温度計),各種繊維材料(白布,または薄色もの)ストップウォッチ
右がアイロン温度計として市販されているものの一種
左が物理で使用する熱電温度計
アイロン温度計としても利用できる。
4.方法
(1) アイロンの底面温度の分布の測定
(2) 温度調節器つきアイロンの各表示に応ずる底面温度の測定。
アイロンの底面,ア,イ,ウ,工の位置にアイロン温度測定器の受感部を密着させ,温度計の針が止ったところで,読みとる。なお条件を一定にするため,各位置ともパイロットランプの消灯直後に測定するようにする。表示中もっとも温度範囲の狭い標示について測定をおこなうとよい。
測定の方法は(1)の場合と同じである。底面温度はパイロットランプが消えてからしばらくして最高温となり,以後ゆるやかに下降し,最低温に下がると点灯する。各指標ごとに切りかえて,温度範囲を記録する。