福島県教育センター所報 第3号(S46/1971.10) -020/025page
内外情報
語よりも蓬かに立派ですね。本当ですよ……」と青い目をくりくりさせていた。日本の外国語教育も着実に進歩の道をたどっていることだけは確かなようである。
第1研修部 鈴木 均
▲台風の連続襲来で日本列島は水びたし。そんな情報の流れる今日,アメリカはミシガン,エルシイーという片田舎から手紙をうけとった。手紙の主は,昨年渡米の際にお世話にたったチャプコウさん夫妻の総領娘で現在大学一年生のリンダからであった。ミシガンは今年の夏は雨が殆んどなく,豆もトウモロコシも思うように発育せずに困っているそうだ。「あなたの折ってくれた水色の鶴がしきりに雨を恋い求めています」とあった。
▲センターに勤務を命ぜられてから,早くも7か月を送ろうとしている。できるだけ新しい確かな情報を求めて読書をすることが,われわれの任務であるとも考えている。ところで時間の方はともかくとして,本代もたかなかばかにはならたい。一般に日本人は,本は買って読むべきものと考えてはいないだろうか。アメリカの家庭を廻って驚いたことの一つは,比較的に本と縁が深そうた教師や学者の家にも本はあまり見あたらないということでした。一般の家庭ともなれば,棚のすみに20冊位の本が無造作におかれている程度である。だからと云ってアメリカ人は本を読まないと考えるのはちょっと早合点であろう。彼等には完備された学校図書館や公共図書館があり,そこを気軽に利用するのである。リンダの住む片田舎エルシイーの町にも小ぎれいな赤レンガの公共図書館があり,テープの貸出しまでおこなっていた。また,アメリカ人と日本人とでは本に対する態度が違うようである。私などは一度買い求めた本は,またいつか読み返すかも知れない日のために大切に書棚の上に納めておくが,そのうちに本となにか情緒的な結び付きができて,手ばなせなくなってしまう。しかしアメリカ人にはこのよう物神崇拝的な態度を本に対しても持ちあわせていないようである。一度使って現在不用となったものはなんでも,中古車のようにどんどん捨て去ってしまうというアメリカ的な合理主義が本に対してもいえるのではないか。期末試験の終った翌目,大学の本屋にはたくさんの教科書類が古本として売り出されていた。
▲中学および高校の英語研修講座第1同が研修生の熱心な協力を得まして無事成功のうちに終了しました。カナダから来日したばかりの若々しいラマーシュさんの美声ぽ人気のまと。当のラマーシユさんもカナダの高校と大学でLL教室も利用しフランス語を5年間ほどやられたそうですが,しゃべる方は思うようにいかないと謙遜されておりました。「研修生たちの英語は,私のフランス第1研修部 岡田 貞夫
▲空は青く澄み道路は小路まで舗装され,空地はほとんど芝生の緑でうめられている。その芝生の上を素足で元気にとびまわっているこどもたち,そばでその様子を暖かく見守っている両親。これはどこの国でもみられる風景だろう。ふとみると歩道をはだしで歩いている青年の多いこと,木陰の芝生に円陣をつくりデスカッションに熱中している学生男女がみられる。▲これはカナダ第3の大都市であり,ブリテヅシュ・コロンビア州最南のフイヨノレド内に港をもち,カナダの西玄関といわれるバンクーバーでみかけたスナップのひとこまである。▲私はブリテッシュ・コロンビァ大学に宿舎をとり,大学の諾施設や体育施設を見学後シーモア公園に出かけた。ここは小高い所にあり,樹齢100年以上という大木,その木々の間から高層ビルの建ちならぶ市街の中心部とバラ一ド湾が一望に見わたせる風光明媚(めいび)な所である。▲目をみはったのは山全体が公園になっていて実にきれいだということだ。一面芝生の山はだ,ところどころにある大木と青い空のコントラスト,澄んだ空気,人口80万という大都会の中にこのような所があるのかと疑問に思う位である。▲くさい話で恐縮だが,私は生理的要求からトイレをさがした。あの建物の中と教えられ,その小ぎれいな建造物の中へ恐る恐るはいると,大理石ばりで水洗式の便所で手ふきのナフキンまで備えられていた。最近日本のレストランにもトイレに手ふきのナフキンが備えつけられるようになったが,デパートにもないのが現実のようである。公園とはいえカナダの山の中のトイレにまであるとはただびっくりして仲間につげ2度もはいったものである。ここだけだろうと思っていたら,セントラノレ・バークやスタンレー公園にいっても皆同じできれいであり管理がよくできていた。▲バンクーバーの公園には日本庭園をとり入れた所が多い,とくにリトルマウンテンにあるエリザベス女王公園,セントラル・バークには石燈籠やとび石,滝,池,太鼓橋などがあり,日本の美,よさをおおいに取り入れてあるのが印象的であった。▲帰国後,私は家族と一緒に福島市のある公園にピクニックに出かけたことがあった。こどもたちは家族全部でいけるというので,大はりきりで昼食の準備の千伝いをしたり,「ババも車だからジュースだよ。」といいながら,ジュースだコーラだと大さわぎであった。山の中腹にわずかの空地をみつけ腰をおちつけた。周囲をみわたすと三々五々いろんな集団でにぎわっていた。あたたかい春のひざしを受け野山での食事はおいしいもので,