福島県教育センター所報 第4号(S46/1971.12) -014/025page
明確にすることである。特に学年(学年団)の果たす役割を再検討し,推進母体とすることが考えられる。その組織活動においては,学年(学年団)のスタッフが,役割を分担し,協力することに満足感をもてるようにすることである。
5 研究のめあて
「教育活動の効果的・効率的な実践のための教授組織」
ひとりひとりの子どもの能力を開発し,心身の調和的発達をはかるため,教師の特性を生かし,本質的な授業を展開するには,教授組織をどのように改善したらよいかということになるが,本県の実態により,次のような具体事項をあげることにする。
(1) 弾力的な集団の取り扱いによる合併授業 (2) 教育機器の導入と個別化・集団化の複数授業 (3) 小規模校における授業の改造
実験学校
福島市立吉井田小学校 校長 安田正吾
安達町立下川崎小学校 校長 石川 博
6 活動の実際
単元指導計画の段階においては,制約された時間内で教材を構成し,分業・協業が有機的に行なわれるよう作成する必要がある。そのために基本構想の共通理解をはかり,基調案により共同作成するように配慮する。
(2) 基調案
単元 段階 内容 分担 時間
延形態 腕立て閉脚とび 1.はじめの話し合い (1)集合隊形 学級ごと男女2列 健康確認 TL 5
15大集団 (2)学習のめあての指示 2.準備運動 (1)かけ足によるからだの調整 T1 5
15(2)手首,足首,脚の前後開き,体の前後屈運動 3.閉脚の腕立てとび越し
整理運動(1)教師の示範を見る学習 T1 25
75(2)能力別小集団学習
A・B・C各グループ別の運動T1
T2
TL小集団 4.おわりの話し合い (1)各自うまくなったと思う点 TL 5
15大集団 (2)まだ運動練習が足りないと思う点 (3)次時の予告 5.用具のあとしまつ (1)協力してのあとしまつ T2 5
15(2)からだの清潔 例 6年体育 とび箱運動―腕立て閉脚とび(3時間)
A段階―大体とべる
B段階―どうにかとべる
C段階―全くとべない
(3) 授業検証
2年体育 研究・授業者 尾形節子,岸ミツ
[1] 研究のねらい
「低学年における個別化を考慮した集団の再編成」
この学年においては,各種運動を遊戯として取り扱い,活発な運動をとおして調整力を養うことをめざしている,活発な運動を展開するには,活動力に応じた集団を再編成し,教授方法(姿勢,回数,距離,速さ)に変化を与えることになるだろう。
研究のねらいを具体的にあげると,次のようになる。
ア, 2学級を合併し,子どもの活動力により,3小集団(活発,普通,不活発)に再編成し,程度別内容での結果から,再編成の視点を確かめる。
イ, 程度別内容の段階的な確かめにより,内容構成,協力・分担のあり方をとらえる。 [2] 題材 とび箱運動―「うで立てとびあがりとびおり」
体操領域としての歩,走,跳の連続組み合わせ運動と,両足でふみ切り,正しい手の位置でのとびあがり,正しい着地でのとびおりができる。
[3] 題材構成
ア,目標(略)
イ,指導計画
区分 体操 とび箱運動 第1次 内容 いろいろな動物のとび方、歩き方などの模倣ができる。 20分話をきいたり写真をみたりしての運動のやり方 25分協力分担 TA―音楽担当
TB―個別矯正指導TA―機械操作、運動の説明指導
TB―観察による理解度の反応調査形態 大集団 大集団 第2次 (本時)以下同じ 高いところからのとびこし、とびおり各種移動を調子よくできる。 15分両足でふみ切り、正しい手の位置でとびあがることができる。 30分TA―個別指導、危険個所の安全性の援助。
TB―体操指導(屈膝、背のび、脱力とび、整理運動)TA―とび箱運動の,反復練習による程度別編成
TB―用具の点検、緑組の練習、踏み切り板、台上のテープはり小集団(4グループ) 程度(能力)別集団 第3次
いろいろな姿勢でのとびおり方、リズミカルな変形姿勢の歩き方ができる。 20分両足で強くふみ切つてとびあがリ、台上から片足、両足でふみ切っての正しいとびおり方ができる。 25分TA―安全な着地の指導
TB―山がた平均台の個別指導TA―赤・黄組の個別指導、グループの再編成
TB―緑組の個別指導、用具の点検小集団(4グループ) 程度別集団 第4次
かるく調子よくうさざとびができる。 20分助走,ふみ切り,うで立てとびあがりとびおりが調子よくできる。 25分TA―個別指導
TB―うさぎとびの要領の説明(ジャンプ、手首のスナップ)TA―要領の説明,反復練習による個別指導
TB―緑組の個別指導小集団 程度別集団 第5次
いろいろなとび方を連続して調子よくできる 10分両うでをつく位置を前方にとり、姿勢をくずさないで、斜め前方にとびおりることがてきる. 35分TA―個別指導(用具の右側)
TB―個別指導(用具の左側)TA―要領の説明,赤・黄組の個別指導
TB―緑組の個別指導大集団 程度別集団